映画『マジェスティック』が大コケした3つの理由!感動するための予備知識!

映画『マジェスティック』は2001年公開のアメリカ映画です。

 

本作は映画好きがこぞって絶賛する名作になっています。

しかし、興行的には大コケ・・・大失敗した作品です。

結果、隠れた名作の位置に追いやられてしまうという・・・。

 

なぜに本作はヒットしなかったのか?

 

この記事ではその理由について考察しています。

また、本作を観る際に知っておきたい予備知識や世間での評価、個人的感想、Blu-ray/DVD情報、動画配信サービス/VOD情報など盛りだくさんです。

鑑賞後の映画話や補足にお役立ていただければと思います。

 

この記事は基本的にネタバレ全開です。まだ観ていない方は先に動画配信サービスで観ることをおすすめします。

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では早速、映画『マジェスティック』が大コケした3つの理由からです。

レッツ!!ムーヴィン!!!

映画『マジェスティック』が大コケした3つの理由!

本作は感動の名作で日本での評価が高い作品ではあるものの、興行的には大コケした作品です。

製作費7200万ドルに対し、興行収入は3730万ドル。

映画は制作費の3倍の興行収入がないと赤字と言われていますから、本作は約2億1600万ドル以上売り上げてやっと黒字という計算です。

結構派手にコケましたね・・・。

 

では、なぜ本作はヒットしなかったのか?

 

理由は以下の3つです。

 

マジェスティックが大コケした理由
  • 賞を狙い過ぎ
  • 良くも悪くも普通
  • 作品の背景

 

1つずつ解説していきます。

賞を狙い過ぎ

本作が大コケした理由1は、「賞を狙い過ぎ」ということです。

 

本作は完全にアカデミー賞を視野に製作されたと思われます。

その証拠に、アメリカでの公開日は受賞に有利と言われている年末でした。

 

また、アカデミー賞は映画関係者が選考を行う為、アメリカの国情や世相などが色濃く反映された作品が選ばれる傾向があります。

つまりちょっと通好みだったり社会派の作品だったりするんですよね・・・。

 

冷戦、赤狩りなどを背景に1950年代のアメリカを描いた本作は、内容的にはエンタメ性が低い通好みな作風ですからモロですね。

 

しかし、2001年のヒット作を振り返るとエンタメ性の高いファンタジー映画が軒並みヒットしています。

2001年の興行収入ランキングは『ハリー・ポッターと賢者の石』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『モンスターズ・インク』がトップ3です。

そんな時代にあって本作のような時代背景を絡めたヒューマンドラマは興行的に苦戦した印象・・・記憶喪失という若干のファンタジー性はあるにせよ厳しかったんじゃないでしょうか。

 

では、本作はアカデミー賞を獲ったのか?

 

答えはノーです。

作品賞はおろか1つの賞にも絡めず終わっています。

 

その理由は明白・・・全くヒットしなかったから(笑)

ここが難しいところで、そこそこはヒットさせて話題にしないと、そもそも審査員が作品をチェックしないと言われています(アカデミー賞の対象作品は膨大なので全てチェックできないのは当然で、審査員も話題作や自分の好みでチェックしていきます)。

エンタメ性を犠牲にして賞狙いにした結果ヒットしなかった→ヒットしなかったので賞も獲れなかった・・・。

悪循環になった結果、本作は隠れた名作になってしまいましたね・・・。

 

因みに、この年のアカデミー賞作品賞は、本作と同日に公開され、こちらも冷戦を背景にした『ビューティフル・マインド』でした・・・。

良くも悪くも普通

本作が大コケした理由2は、「良くも悪くも普通」ということです。

 

言い換えればちょっと地味な作品とも言えるかもしれません。

本作はとてもいい映画です。

感動作なのは間違いありません。

 

しかし、派手な演出で徹底的に泣かせにくるような作風ではなく、どちらかというとじんわり心に沁みる映画です。

そこが本作の良いところではあるのですが、大ヒットを狙うにはもう少し大衆性が必要だったのかもしれませんね。

 

実はこの手の作品が大ヒットになることってあまりないんですよね・・・。

 

しかしなんで製作費に7200万ドルもかけちゃったんでしょうか・・・。

てか、7200万ドルって、この映画のどこにそんなに金かかってるんだ!?

作品の背景

本作が大コケした理由3は、「作品の背景」を知らないと魅力が半減するということです。

 

本作で描かれる最大のテーマは「信念」です。

主人公のピーターやルークの信念を描いた作品ではありますが、それを通して「アメリカの自由とは何か?」という「アメリカの信念」を問うているんです。

 

そこまで感じ取るには当時のアメリカが抱えていた冷戦や赤狩りの問題、名誉勲章についてや、1950年代のアメリカ人の暮しなどを知っていることが前提となってきます。

 

映画でも描かれてはいますが、前もって知っていた方がより深く楽しむことができるんです。

こういった小難しい設定をエンタメに昇華するのは難しいんですよね・・・この深さが伝わらないと魅力半減・・・魅力半減ではなかなかヒットには繋がりませんね。

 

以上、本作が大コケした3つの理由でした。

次はこの項で最後に触れた作品の背景についてちょっと深掘りしてみます。



感動するための予備知識!

本作で深く感動するには前もって知っておいた方が良い予備知識があります。

もちろん、鑑賞後に知っても遅くはありません!

 

より深く感動するために必要な予備知識は以下の3つです。

 

鑑賞の際に知っておいた方が良いこと
  • 冷戦と赤狩り
  • 名誉勲章
  • アメリカの正義

 

1つずつ解説していきます。

冷戦と赤狩り

1945年に終結した第二次世界大戦後、アメリカとソ連は対立関係になります。

この2国は武器を取って直接戦うことはないものの、世界の覇権をめぐり国力を競ったり、朝鮮やベトナムで代理戦争を行ったりとなにかとにらみ合っていた・・・これが冷戦

 

そんな中、アメリカでは国内に浸透するソ連のスパイに対して過敏になっていたんです。

少しでも疑わしければ逮捕し、他のスパイの名前を言わなければ有罪・・・本作のピーターに降りかかったようなデタラメな政治は本当に行われていたんです。

 

共産主義者を「赤」と呼び、その人たちを職から追放し、社会的に抹殺するのが「赤狩り」です。

本作で描かれたのはまさにこれですね。

 

若者が自由のためにファシズムと戦った第二次世界大戦のわずか5年後、ファシズムのような政治がアメリカ国内で行われていたというのが本作における最大の背景になります。

この辺がなんとなくわかっていると物語にもスムーズに入っていけ、一気に理解度が増しますね!

名誉勲章

本作でルークが受け取ったとされる「名誉勲章」

 

これは、アメリカ軍における最高位の勲章です。

主に戦争で自らを犠牲にした勇敢な行為をした軍人に送られます。

 

受賞者は、階級に関係なく敬礼を先に受ける権利を有するほど特別な存在になります。

 

水戸黄門の印籠くらい凄いんです!

 

ルークがローソンの町で英雄視され、人違いだったとはいえあれほどまでに帰還を歓迎されたのはそういうことだからです。

平和ボケしてる我々にはちょっとピンとこないかもですが、ルークの帰還はとんでもない一大事だったんです。

アメリカの正義

今でこそ「自由の国アメリカ」というイメージがありますが、本作で描かれる冷戦時代初期は口先ばかりの自由だったのです。

 

本作でピーターが引用する合衆国憲法修正第一条は、まさに国民の自由を約束した掟です。

いわばアメリカの基本理念であり全ての土台。

 

本作は、このことが正しく行われている世の中なのか?アメリカが振りかざす正義は正しいのか?そこに信念はあるのか?ということを問うてる映画なのです。

当時のアメリカが振りかざしていた正義がどんなものだったのかを知っていると、ラストの聴聞会のシーンはとても劇的なものになっていることが分かるはずです。

 

以上、感動するための予備知識!についてでした。

次は作品情報とキャストの解説です。

作品情報とキャスト

映画『マジェスティック』は2001年公開のアメリカ映画です。

興行収入は3730万ドルとなっています。

 

スタッフ
監督 : フランク・ダラボン
脚本 : マイケル・スローン
製作 : フランク・ダラボン、マイケル・スローン
製作総指揮 : ジム・ベンク
音楽 : マーク・アイシャム
キャスト(役名 : 俳優)
ピーター・アプルトン/ルーク・トリンブル : ジム・キャリー
ハリー・トリンブル : マーティン・ランドー
アデル・スタントン : ローリー・ホールデン
スタントン医師 : デヴィッド・オグデン・スティアーズ
ルーク・トリンブルの声 : マット・デイモン

 

本作の監督はフランク・ダラボン監督。

『ショーシャンクの空に』(1994年)、『グリーンマイル』(1999年)、『ミスト』(2007年)の監督としてあまりに有名です。

この3作はスティーブン・キング原作の作品。

スティーブン・キング×フランク・ダラボンは相性抜群です!

 

まぁ、本作はスティーブン・キング原作ではないんですけどね・・・。

フランク・ダラボン監督が監督した作品は、前述の3作と本作の合計4作品しかありません。

本作含め、全てが名作なので未鑑賞の作品があったら死ぬまでに必ず観ることをおすすめします!

 

キャストの方は、基本的には『マスク』(1994年)、『トゥルーマン・ショー』(1998年)で有名なジム・キャリーの独壇場!

その魅力を存分に堪能できる内容になっています。

ジム・キャリーって笑顔がめちゃくちゃ素敵な俳優だと思いませんか?

『マスク』はキャメロン・ディアスのデビュー作としても有名ですね!

 

脇を固めるのは大ヒットドラマ『スパイ大作戦』のマーティン・ランドー

『スパイ大作戦』はあのトム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』シリーズの元になった作品ですね。

 

本作のエピソードの中で最も胸を打つのはピーターとハリーの物語だと思いますが、ここまで感動するのはハリーを演じたマーティン・ランドーあってこそのものです。

 

そして、ちょっとトリビア的扱いにはなってしまいますが、映画の後半でルークの手紙を読んでいるルークの声を担当しているのはマット・デイモンなんです。

そういえば、本作はマット・デイモンが主演でも合いそうな映画でしたね!

 

以上、作品情報とキャストについてでした。

次は評価と感想です。



評価と感想

ここからは本作の世間での評価と筆者の個人的な感想です。

まずは世間での評価から。

世間での評価

本作の世間での評価は5点満点中3.9点(Yahoo!映画)となっています。

実際の声はこんな感じ。

次は個人的な感想を。

個人的感想

ここからは僕の個人的な感想を書いていきます。

 

いやぁ〜感動の名作ですね!

これがヒットしないなんて…。

というのが率直な感想。

 

まぁ、確かにハリウッド作品の中では圧倒的に地味な作品だとは思います。

『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』の監督の作品ってことで観た人も多いと思いますが、同じヒューマンドラマでも本作の方が地味で渋い内容なのは確か。

もう少しエンタメ性も必要だったかもしれませんね・・・主演がジム・キャリーでちょっと地味といえば地味ですから。

ジム・キャリーがダメなわけでは全然ないですし、むしろジム・キャリーだから良いんですが、トム・ハンクスあたりを主演にしたらまた違ったのかなぁ~とも個人的には思います。

 

ただ、間違いなく名作だと個人的には思います。

 

色々好きなところはあるんですが、まず、展開がめちゃくちゃ面白い!

記憶喪失になったピーターがローソンに流れ着き、別人として生きる・・・もうこれだけで先がめちゃくちゃ気になりません?

 

サスペンス的な雰囲気も漂わせつつ、歴史背景や時代性も盛り込み、しかしあくまでもヒューマンドラマとしてまとめている点が良いですね。

 

それから、映画内で描かれる50年代の描写も個人的には好みです。

音楽、ファッション、映画など50年代の雰囲気や流行が描かれ、個人的にはエンタメ性も抜群だと思います・・・世の中的には物足りないんでしょうが(笑)

よくよく思い出すと、劇中劇やブギ・ピアノのシーン、橋から車ごと転落したりと結構色々あったんですけどね・・・やっぱりマジェスティックが爆破とかされないと物足りないのが現代人というものなんでしょう(笑)

 

そしてなんと言っても人間ドラマが素晴らしいと思います。

ローソンの人々との生活、そしてそのことで変わっていくピーター・・・ラストシーンなんて号泣です。

しかもラストカットのピーターとハリーの写真が良いんですよね~。

あれだけで思い出し泣きできるレベル(笑)

 

冷戦、赤狩りを背景にアメリカの自由と正義を描いた作品ですが、それをサスペンスではなくヒューマンドラマで描いたのが本作の素晴らしいところ!

 

間違いなく名作だと思います。

 

個人的満足度

 

次はBlu-ray/DVD情報です。

マジェスティックをBlu-ray/DVDで観よう!

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ワーナーホームビデオ

 

次は動画配信サービス/VOD情報です。

マジェスティックを動画配信サービス/VODで視聴する方法

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