映画「レヴェナント: 蘇えりし者」は2015年のアメリカ映画です。

本作はアカデミー賞で監督賞、主演男優賞、撮影賞を獲得した名作となっています。

何故にこの3部門が評価されたのか?

作品を観ればそれは一目瞭然ですね!!

そして何と言っても主演のレオナルド・ディカプリオの演技が素晴らしいのなんの!!

悲願の主演男優賞獲得も納得の凄まじい演技を見せています。

それからこの映画を語るときに絶対に外せないのが圧倒的な映像美!!

とことんリアルさに拘って撮影されたという本作の映像はまさに映画史に残るものだと思います。

リアルさを象徴する「熊のシーン」は一度観たらトラウマになるレベルです・・・本当にリアル!!

ただ、監督はそういったリアルさの裏に真のメッセージを隠しています!!

この映画、単なる復讐サバイバルではないんです・・・。

この記事では、あらすじはもちろん、いかにしてこの圧倒的なリアルさで撮影することに成功したのか・・・また、真のメッセージとは何なのか?・・・それから何気に知られていない実話との関連などを数々のトリビアも交えて考察しています。

もちろん恒例の個人的感想も書いていますので是非楽しんでください。

記事の最後にはBlu-ray/DVD情報やVOD情報などもご紹介していますので併せてチェックしてみて下さい。

 

では、まずはあらすじをネタバレでご紹介します。

もくじ

レヴェナント: 蘇えりし者のあらすじとネタバレ

作品情報とキャスト

映画レヴェナント: 蘇えりし者は2015年のアメリカ映画です。

 

スタッフ

監督 : アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 : マーク・L・スミス、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
原作 : マイケル・パンク『蘇った亡霊:ある復讐の物語』
製作 : アーノン・ミルチャン他
製作総指揮 : ブレット・ラトナー他
音楽 : 坂本龍一、アルヴァ・ノト

 

キャスト(役名 : 俳優)

ヒュー・グラス : レオナルド・ディカプリオ
ジョン・フィッツジェラルド : トム・ハーディ
アンドリュー・ヘンリー : ドーナル・グリーソン
ジム・ブリッジャー : ウィル・ポールター
ホーク : フォレスト・グッドラック
アンダーソン : ポール・アンダーソン

 

本作の監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。

本作の前年に2014年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞で監督賞を受賞したオスカー監督です。

映画ファンでもなければあまり馴染みがないかもしれませんが、本作でもアカデミー賞監督賞を受賞していますので、2年連続でその栄冠に輝くという前代未聞の快挙を成し遂げたすごい監督なのです。

そして主演はレオナルド・ディカプリオ!!

共演にはディカプリオが出演を熱望したというトム・ハーディ!!

2人はクリストファー・ノーラン監督の名作「インセプション」(2010年)以来の共演となりました。

 

では、早速あらすじをめちゃくちゃ簡単にご紹介します。

あらすじとネタバレ解説

舞台は1823年のアメリカ北西部の極寒地帯です。

本作の主人公ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は息子のホークと共に毛皮ハンター達のガイドとして同行していました。

毛皮ハンターたちはアルカラ族という原住民の襲撃に遭い、毛皮を強奪されてしまいます。

アルカラ族は族長の娘パウカが白人にさらわれてしまっていて、娘を探しています。

この時代は白人やらアメリカ人やらがインディアンの土地を占領強奪していた時代・・・インディアンに対する差別意識や対立構造も激しいです。

で、グラスたちの一味は襲われたのですね・・・。

グラスたちは命からがらなんとか逃げることに成功します。

グラスは、船で帰るのは危険だっていうんで船を捨てて歩いて帰ることを提案。

これに反対したのがジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)です。

グラスの息子はポーニー族というインディアンとのハーフ・・・そういった差別的視点もあり、グラスとフィッツジェラルドは激しく対立します。

結局、歩きのルートで帰ることになりますが、その道中でグラスが熊に襲われ瀕死の重傷を負ってしまうのです・・・。

熊に襲われ身動きが取れなくなったグラス・・・グラスを運んでは帰れないと判断した隊長は高額な報酬でフィッツジェラルドとブリジャーを残し隊は先に帰ることに。

グラスの息子のホーク含め3人がグラスと共に残ることに。

グラスの死を待って手厚く葬ることが隊長の命令でした。

しかしフィッツジェラルドはこれを密かに無視・・・身動きが取れないグラスの目の前でホークを殺し、グラスをそのまま埋めて帰って行ってしまうのです。

なんとか生きていたグラスは這うようにして生還を目指すのでした・・・。

戻ったフィッツジェラルドは隊長に手厚く葬ったと嘘の報告をし報酬を得ました。

その頃、グラスは壮絶なサバイバルをくぐり抜け生き抜いていました。

グラスはサバイバルの途中でさらわれていたアルカラ族の娘を助けます。

さらっていたのはフランス人たちでした・・・。

結末

最終的になんとか生きて戻ってきたグラス。

もちろんフィッツジェラルドに復讐を果たそうとします。

決闘になる2人・・・グラスがフィッツジェラルドを追い詰めますが、とどめは神に委ねることにします。

これはサバイバル中に助けてもらったある男の影響です。

瀕死のフィッツジェラルドをアルカラ族がいる川の方へ流します・・・アルカラ族はフィッツジェラルドにとどめを刺しました。

グラスもアルカラ族に殺されるのか・・・しかし、グラスはアルカラ族の娘を助けたため見逃してもらうことができました。

グラスは妻の幻影を見て涙を浮かべるのでした・・・。

 

以上が簡単なあらすじです。

次はリアルすぎると噂の熊についてです!!

熊がリアルすぎると話題に!

映画が始まって割と序盤、グラスはクマに襲われ瀕死の重傷を負います。

で、この熊がめちゃくちゃリアルで怖くないですか?

本当に自分が襲われているような感覚にもなってしまうほど怖いですよね?

映画の中でも特に印象的なシーンだと思います。

ここではその熊のシーンについて解説します。

まず、熊はもちろんCGです。

本作はCGをほとんど使っていませんが、さすがに熊はねってことで・・・でもCGに全然見えない・・・。

本当に素晴らしい出来です。

そして襲われるグラスを演じるディカプリオも本当にリアル。

それもそのはずなんです!!

このシーンの撮影では、ワイヤーにつるされ何度も地面に打ち付けられるような撮影をしています。

本来ならその部分はスタントマンがこなすのですが、なんとディカプリオはその部分も自分でやっています。

苦痛に顔を歪める表情は演技ではないんです!!

最高のCG技術とディカプリオの本作に懸ける意気込み・・・2つが見事に合わさったことによって完成したシーンなのです。

結果、多くの人にショックすら与えるほどの名シーンとなっています。

 

次は実話との違いなんかについて解説します。

本作が実話だって知っていましたか?

本作は実話なんです!実話との違いは?

本作は、実在したアメリカ西部開拓時代の罠猟師で毛皮商・探検家のヒュー・グラスが体験した実話を元にして製作されています。

実話的な宣伝があまりされていないので実話だと知らない方も多いのではないでしょうか?

勿論全てが実話ではなく、映画的脚色もかなりありますが・・・ハイイログマに襲われて重症を負い、仲間に見捨てられながらも生還した話は、長い年月にわたり語り継がれるほど有名な話だそうです。

え!?マジ!?そこ実話なの!?

はい、そこ実話です!本当にびっくりですよね!!

しかも熊に襲われて瀕死の重傷を負ってから戻ってくるまでの移動距離は320キロだったそうです。

東京から名古屋くらいの距離を痛みに耐えながらハイハイで進んだんです・・・草とか木の根っこを食べていたそうです。

壮絶すぎます・・・。

では、どこの部分が実話でどこがフィクションなのか解説していきます。

熊に襲われ仲間に見捨てられた

これは実際に起きた事実のようです。

ですが多少の脚色があります。

映画ではグラス1人で熊を倒していますが、実際は仲間の協力もあって倒せたようです。

バイソンの生肉を食らう

基本的には草などを食べて凌いでいたようですが、オオカミに囲まれたバイソンに遭遇するとオオカミを追い払いバイソンの肉を食べたそうです。

映画にもこの描写はありましたね!

友好的な先住民との出会い

映画では友好的な先住民にバイソンの生肉を分けてもらうシーンがあります。

こういったことも実際にあったようです。

実際は傷口の手当てをしてもらい、武器や食料を受け取ったようですね!!

実際の季節は夏!?

映画では極寒の中を生還していますが、実際のグラスが熊に襲われたのは1823年の8月です。

つまり実際の季節は夏です。

そもそも熊は冬には冬眠しますしね(笑)

帰るころには極寒になっていた可能性もありますが、夏にハイハイをスタートしたのは間違いないです。

骨にまで達した背中の傷が壊死しないよう、腐りかけの倒木にもたれて膿んだ部分をウジがすっかり食いつくすのを待ったりしたようです。

なんとなく夏っぽいですよね(笑)

グラスに妻子はいません

グラスは息子どころか妻もいません。

えーーーー!?

・・・。

大胆な脚色(笑)

ですが、この設定が物語に深みとメッセージ性を生み出していると思います。

この設定がないと単なる復讐サバイバルになってしまうので、この脚色は必要だったのかなと個人的には思います。

馬の腹に入る話は嘘

映画で馬と共に崖から落下、寒さを凌ぐために馬の腹に入るシーンがありますが、あれは脚色である可能性が高いです。

瀕死の重傷を負った人が崖から落ちて助かる可能性は低いですし、季節も実際は夏ですしね・・・。

これは極限のサバイバル感を見せることが狙いなのではないでしょうか?

どうやら欧米ではこの方法で寒さを凌ぐサバイバル術は有名なもののようですしね。

ちなみにディカプリオが入った馬はもちろん作りものです(笑)

ジョン・フィッツジェラルドへの復讐は達成されていない

映画のラストでグラスはジョン・フィッツジェラルドと決闘・・・運命をアルカラ族に委ね復讐を達成している。

しかし、実際のジョン・フィッツジェラルドは帰還後、軍に入隊していています。

当時、軍人を殺すことは重罪だったようですので、殺したとは考えられません。

グラスが生還したのは事実ですが、実際復讐を達成した記録もなく、ここは完全な脚色です。

そもそも必死で生還したのは置き去りにされた際に奪われた銃の為だったとも言われています。

実際のグラスは置き去りにした2人を許している

映画は置き去りにしたジョン・フィッツジェラルドに復讐するストーリーですが、実際のグラスは置き去りにした2人を許しています。

ジム・ブリッジャーについては映画でも許していますが、ジョン・フィッツジェラルドについても同様に許したようです。

こうやってみてみると、クマに襲われて生還したということ以外の部分・・・所謂人間ドラマの部分は殆どが脚色になっていますね。

ですので、実話映画というには無理があるかもしれません(笑)

ただ、こういった脚色が本作ではとても良い方向に作用したと個人的には思います。

 

次は原作となった本についてです。

原作について

本作には原作小説が存在します。

マイケル・パンク『蘇った亡霊:ある復讐の物語』です。

日本では映画と同じタイトルで翻訳されています。

僕は未読ですので内容は分かりません・・・すみません。

興味がある方は読んでみるのも良いですね!!

 

次はレヴェナントの意味です。

レヴェナントの意味は?

タイトルにもなっている「Revenant」・・・これは「帰ってきた人」といった意味になります。

邦題の「蘇えりし者」まんまの意味ですね!!

 

次は本作でのディカプリオについてです。

悲願のオスカー受賞!ディカプリオの圧倒的な演技力

本作でディカプリオは悲願のアカデミー賞主演男優賞に輝いています。

本作を観た方は納得なのではないでしょうか?

本作の演技を観たら異論を唱える人はいないと思います。

元々ディカプリオは演技力には定評がありました。

それはタイタニック以前からのことです。

ディカプリオは常に芸を磨き続け、作品を重ねるごとに凄みは増していくばかりでした。

そして本作でたどり着いたのは圧倒的な境地ともいえる場所です・・・タイタニックのころの美少年ディカプリオはもうここにはいません。

演技を突き詰め、演技に全てを懸けた・・・そんな男の生き様が画面いっぱいから伝わってきます。

まさにアカデミー賞にふさわしい演技です。

いやぁ、本当に凄い演技です。

リアルすぎません?

あれ全部演技ですからね・・・。

ここまできたディカプリオがこの先どうなっていくのか・・・本当に楽しみでなりません。

 

次はアカデミー賞の受賞についてです。

アカデミー賞

本作は数々の映画賞を受賞しています。

そんな中でもやはり注目はアカデミー賞でしょう。

第88回アカデミー賞において本作は最多の12部門でノミネートされ、最終的に監督賞、主演男優賞、撮影賞を受賞しています。

 

次は興行収入についてです。

興行収入

本作の興行収入は全世界で5.3億ドル程です。

日本でも10億円を突破しています。

ウルトラ大ヒットというわけではありませんが、ヒット作と呼んで差し支えないでしょう。

因みに2019年現在、世界歴代興行収入ランキングでは185位となっています。

 

次は本作にまつわるトリビアをいくつかご紹介します。

本作にまつわるトリビア

本作の製作に際しては様々な逸話が残っていますので、いくつかご紹介します。

ディカプリオの本作に懸ける意気込みが凄すぎる

念願のオスカー受賞となった本作のディカプリオ。

なんでもディカプリオの本作に懸ける意気込みは相当なものだったそう。

リアルさをとことん追求したそうです。

それを物語るエピソードが数多く残されていますのでご紹介します。

ディカプリオのリアル追求その1・・・髭

まずは印象的なもっさもっさの髭!!

これは特殊メイクではなく自前の髭です。

役の為に1年以上にわたって伸ばし続けたそうです。

ディカプリオのリアル追求その2・・・熊

次は熊に襲われるシーン。

普通でしたらスタントマンを使うところを全て自分で演じています。

地面にたたきつけられて苦痛の表情を浮かべるディカプリオ・・・そしてそのテイクはそのまま映画に使われました。

ディカプリオのリアル追求その3・・・言語

ディカプリオは、息子との会話のシーンなどでネイティブ・アメリカンの言語を喋っています。

実はこの言語、世界でも喋れる人が10人もいないという貴重な言語・・・これを映画の為にマスターしたそうです。

他にも射撃や火をおこす技術などもマスターしています。

ディカプリオのリアル追求その4・・・生レバー

バイソンの肉を食べるシーンがあります。

当初、スタッフはゼリーで作ったダミーを用意していたそうですが、これを使うことをディカプリオが拒否。

本物の生レバーを食べています。

本物の生レバーを食べたディカプリオは思わず咳き込んでいます・・・そしてそれがそのまま映画に使われています。

因みにディカプリオは撮影現場からエージェントと弁護士に生レバーを食べることへの承諾を得ています。

撮影時間は1日1時間半!?

撮影は照明器具を使わず、自然光を使うという拘りをもって撮影されています。

しかも多くのシーンでマジックアワーと呼ばれる明け方と日没の前後の時間を狙って撮影されました。

その為に一日の内で撮影できる時間は1時間半ほどしかなかったそうです。

9時間ほどはリハーサルに使い、本番はわずか1時間半・・・失敗が許されない状況で毎日撮影されました。

成果は言わずもがな・・・映画の画面にしっかりと刻まれていますね。

自分もまるでそこにいるかのような本当に素晴らしい映像です。

ラストシーンは本気の決闘

映画のクライマックスにあるグラスとフィッツジェラルドの決闘シーン。

このシーンではディカプリオとトム・ハーディを演技ではなく本気で殴り合わせています。

この撮影でディカプリオは鼻を骨折・・・しかしカメラは回り続けディカプリオは鼻血を出しながらも演技を続けています。

もうこれは演技と言えるのか・・・凄すぎです(笑)

過酷すぎる撮影に辞めるスタッフ続出

ロケ地はマイナス27度になることもあるほどの超極寒の地です。

スタッフはお互いに凍傷になってないか確認し合ったほどだったそうです。

あまりの過酷さに辞めてしまうスタッフも後を絶たなかったとか・・・。

そんな状況の中、水に入ったり裸になったりしながら撮影をしたディカプリオ・・・本気度が凄まじいですね・・・。

過酷な撮影を続けるイニャリトゥに不満続出の現場

極寒の中過酷な要求をする監督に対してスタッフは皆不満を募らせていたそう。

それは俳優も同じだったようで、トム・ハーディはなんでもかんでもスタントマンなしでやらせる監督に怒りが爆発。

監督とガチの喧嘩になったそうです。

トム・ハーディは監督の首を絞めるほどだったとか・・・。

後にトム・ハーディはその時の様子を描いたTシャツを製作してスタッフに配ったそうです(笑)

不満を募らせるスタッフが増える中、トム・ハーディなりの現場に対する気遣いだったようです。

こういうのアメリカっぽいですね・・・(笑)

ロケが長引き雪が無くなった!?

撮影が当初の予定よりも長期化したためにロケ地のカナダに雪がなくなるという大ピンチに陥っています(笑)

そこで、季節が真逆な南半球へと向かい、ラストシーンはアルゼンチンで撮影し、作品を完成させたそうです。

雪深い山々に囲まれたラストシーンは本当に素晴らしかったので、完全に吉と出ましたね!

音楽は坂本龍一

坂本龍一になんとしても音楽を担当して欲しかったイニャリトゥ監督・・・映画の仮編集版に坂本龍一の既存曲を当てたものを見せて自ら口説いたそうです。

世界の坂本龍一・・・本当にすごい作曲家ですね!!

 

さて、続いては本作の真のメッセージについてです。

本作が伝えている真の意味・・・単なるサバイバル映画ではない!

本作は一見すると奇跡の生還を果たした男の復讐劇のように映ります。

しかし、それは表向きの顔で、本作には深いメッセージが込められています。

そのメッセージが如実に表れたセリフが2つあります。

1つ目は「復讐は神に委ねられた。私にではない。」というセリフです。

そしてもう一つは冒頭。

「息をしろ。できるだけ長く。抗ってでも息を続けろ。嵐が来たときの大きな木を思え。細い枝は折れるかもしれない。しかし、太い幹は動かず立ち続けている。」

というグラスが妻の言葉を回想するときの言葉。

そして背景にはネイティブ・アメリカンに対する白人の差別。

この3つをキーワードにするとこの映画の真のメッセージが見えてくると思います。

つまり、許すこと、信仰を持ち続けること、全ては自分に返ってくるということ・・・仏教でいう因果応報に似ています。

それに気づいたグラスはラストで生き残り、妻の姿を思い浮かべ涙するのです。

 

次は評価と個人的な感想です。

評価と感想

本作の世間での評価は5点満点中3.6点(Yahoo!映画)といったところ。

これほどまでの名作の割に一般的な評価はそれほど高くありませんね。

壮大な映像美は皆が認めるところでしょうが、やはりストーリー重視の方には物足りないのかもしれませんね。

人種差別や信仰といった宗教的感覚が身近でない我々日本人にはメッセージ性も伝わりにくかったと思います。

単なるサバイバル復讐劇として観た方が圧倒的だったように思います。

 

 

さて、ここからは僕の個人的な感想です。

僕が最初に思ったのは、ディカプリオの圧倒的とも思える演技力です。

やはり只者ではないですね!←当たり前(笑)

本当に素晴らしすぎる!!

ここまでリアルな演技を見せられると、こっちが寒いし、こっちが痛いし、こっちが悲しいし、こっちが悔しいし・・・まるで自分がその体験をしているかのように感情移入できました。

この頃ディカプリオは、俳優活動休止なんて言ってたりしましたが・・・本作はそれを撤回しての出演。

気合がハンパないです。

ある種の凄みすら感じさせるその演技は、アカデミー賞も納得ですね!!

若いころから演技力には定評があったディカプリオですが、本作での演技は過去作を凌駕しています。

俳優として1つの完成形に到達したのではないでしょうか?

これから先、ディカプリオがどう進化していくのか?

本当に楽しみです。

次に挙げたいのはやはりその圧倒的な映像美。

とことんこだわって撮影された本作は、珠玉の映像体験ができます。

その雄大な景色はもちろん、細部にわたってリアルさが追求されていてもうドキュメンタリーみたいになってます。

この映像にディカプリオの演技・・・これはもう本当にすごい体験ができる映画です。

ストーリーに関しては、最初は単なる復讐劇かなと思っていましたが、そこはイニャリトゥ監督・・・一筋縄ではいかない奥深さがあると思います。

ストーリーの部分は脚色が多いようですが、人としての道と人種差別を織り交ぜた深いストーリーがじわじわと感動を呼びます。

この実際の出来事に肉付けとしてストーリー脚色を入れている点が本当に効果的だと個人的には思います。

これをすることによってサバイバル感も更に増幅され、ストーリーと演出が相乗効果でこの映画をさらに良いものにしていると感じました。

また、季節を夏から冬に変えたり、グラスに妻子がいる設定にしたりサバイバル感とストーリー性を最大限まで伸ばす脚色はお見事だと思います。

もちろんツッコミどころにもなり得てしまうのですが、僕はこの振り切り具合が潔くて好きです。

結果的にメッセージ性も色濃く浮き出ていると思います。

やはりこの映画の一番の肝はサバイバルの裏に隠れたメッセージ性だと思いますので。

そこは監督の手腕が冴えわたったと言っていいのではないでしょうか?

最後に個人的に最も印象的だったシーンについて触れておきたいです。

色々あって悩んだんですが・・・やはり熊のシーンです!

感想としては月並み過ぎてつまらないとは思いますが(笑)

熊ほんとリアル・・・ただただそれだけ・・・もう心臓バクバクでした。

熊に襲われることは恐らくこの先ないと思いますので(てか、襲われたくない・・・)、それを疑似体験できました。

この映画を観たほとんどの人の脳裏にトラウマ的に残るであろう・・・そんな印象深い名シーンになっていると思います。

総合的に僕はこの映画は世間の評価以上に素晴らしいと思っています。

そして何と言ってもディカプリオが本当に最高!!

タイタニックでディカプリオのイメージが止まっている人に是非進めてあげて下さい(笑)

 

次はBlu-ray/DVD情報です。

レヴェナント: 蘇えりし者をBlu-ray/DVDで観よう!

本作はその圧倒的な映像美も魅力の一つです。

ですので購入するのでしたらBlu-rayをおススメいたします。

4Kバージョンも出ていますので、もし環境的に観れるのであれば是非そちらで観てほしいです。

そしてできるだけ大画面で鑑賞しましょう!!

 

次は動画配信サービス/VODで視聴する方法をご紹介いたします。

レヴェナント: 蘇えりし者を動画配信サービス/VODで視聴する方法

Hulu ×

U-NEXT 〇

FODプレミアム ×

amazon プライムビデオ 〇

dTV 〇

配信が終了している場合もありますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

U-NEXT
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