映画ルームは実話だった!実際の事件がマジでヤバすぎる・・・

映画「ルーム」は2015年公開の映画です。

主演は今やアベンジャーズのキャプテン・マーベル役として大ブレイクしたブリー・ラーソンです!

ブリー・ラーソンは本作でアカデミー賞主演女優賞を獲得するなど大きな評価を得ています。

まさに出世作と言っていいかもしれません。

そして共演は今大注目の子役ジェイコブ・トレンブレイ君!!

2017年「ワンダー 君は太陽」での名演は個人的に記憶に新しいです。

そんな2人が演じる母子の物語である本作・・・実は本作は実話を基にしたストーリーなんです!!

実話となったのは壮絶すぎる監禁事件として有名なフリッツル事件です。

日本のドキュメンタリー番組にも取り上げられた実際の事件は、映画の何倍も悲惨な事件です。

この記事では本作のあらすじやネタバレ解説と共に、その実際の事件についても詳しく解説しています。また、原作との違いや個人的感想、VOD情報などなど盛りだくさんです。

是非最後まで楽しんでください。

 

この記事は基本的にネタバレ全開です。まだ観ていない方は先に動画配信サービスで観ることをおススメします。

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では早速解説から言ってみましょう!!

レッツ!!ムーヴィン!!!

あらすじとネタバレ解説!

ここからは本作のネタバレで解説していきたいと思います。

まずは作品情報やキャストの解説です。

作品情報とキャスト

映画「ルーム」は2015年公開の映画です。

アメリカ、カナダ、アイルランド、イギリスの合作となっています。

興行収入は3630万ドルです。

 

スタッフ
監督 : レニー・エイブラハムソン
脚本 : エマ・ドナヒュー
原作 : エマ・ドナヒュー『部屋』
製作 : エド・ギニー、デヴィッド・グロス
製作総指揮 : アンドリュー・ロウ、エマ・ドナヒュー他
音楽 : スティーヴン・レニックス
キャスト(役名 : 俳優)
ママ / ジョイ・ニューサム : ブリー・ラーソン
ジャック : ジェイコブ・トレンブレイ
ばあば / ナンシー : ジョアン・アレン
オールド・ニック : ショーン・ブリジャース
じいじ / ロバート : ウィリアム・H・メイシー
レオ : トム・マッカムス

 

本作は実際にあった事件を基にした小説「部屋」の映画化です。

その小説の原作者であるエマ・ドナヒューさんが脚本も手掛けています。

キャスト陣は今注目の2人の共演です。

まず、ジャックのママを演じるブリー・ラーソン!!

彼女は本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞!

そして2019年にはアベンジャーズのキャプテン・マーベル役で「キャプテン・マーベル」、「アベンジャーズ エンドゲーム」に出演・・・今後更なるブレイクを予感させますね!

次はジャックを演じるジェイコブ・トレンブレイ!!

ジェイコブ・トレンブレイ君は今や最も注目を集める子役の一人かもしれません。

本作の後も2017年の「ワンダー 君は太陽」では主人公のオギーを演じ更なる飛躍を遂げています。今後の活躍が楽しみですね!

 

以上、作品情報とキャストについてでした。
次はあらすじです。

あらすじ

〖[部屋]で暮らすママとジャック〗
ママ(ブリー・ラーソン)とジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)が二人で暮らす狭い部屋に、今日も新しい朝が来た。ジャックは、電気スタンドや洗面台、トイレにまで「おはよう」と挨拶し、「僕、5歳だよ」と宣言する。今日はジャックの誕生日、ママがケーキを焼いてくれると聞いて、喜ぶジャック。歯磨き、ストレッチ、壁から壁への駆けっこ─ジャックは毎朝のルーティンを、ゲームのように楽しそうにこなす。けれど、出来上がったケーキに火のついたロウソクがないのを見たジャックは、すねて怒り出す。ママはそんなジャックを抱きしめるしかない。そう、この部屋にはロウソクだけでなく、いろんな物がない。窓さえも天窓が一つあるだけだ。

〖ママがジャックに初めて語る真実〗
夜になると、ジャックは洋服ダンスの中で眠る。時々夜中にオールド・ニックと呼ぶ男が訪ねてきて、服や食料を置いて行くのだが、ジャックはママの言いつけ通り洋服ダンスから出ない。ママはオールド・ニックに、「ジャックにもっと栄養を」と抗議するが、半年前から失業して金がないと逆上される。さらに、真夜中にジャックがタンスから出てきたことから、ママとオールド・ニックの間に争いが起きる。 翌朝、部屋の電気が切られ、寒さに震えるなか、ママは心を決める。生まれてから1歩も外へ出たことがなく、この部屋が全世界だと信じているジャックに、真実を話すのだ。ママの名前はジョイ、この納屋に閉じ込められて7年、外には本物の広い世界があると聞いて、にわかには信じられず、大混乱に陥るジャック。

〖ママが立てた「モンテ・クリスト伯」脱出計画〗
電気が回復した部屋で、一人じっと考えを巡らせるジャック。起きてきたママにジャックは、TVを見ながら「カメは本物?これは?」と次々と質問を浴びせ、オールド・ニックをやっつけようと持ち掛ける。だが、閉ざされたドアのカギの暗証番号は彼しか知らない。 外の世界に興味を持ち始めたジャックに勇気を得たママは、ジャックに読み聞かせていた「モンテ・クリスト伯」からヒントを得て、死んだフリをして運び出される計画を立てる。ジャックをカーペットにくるんで、何度も段取りを練習させるママ。ジャックは恐怖からかんしゃくを起こすが、ママからきっと“ハンモックのある家と、ばあばとじいじがいる世界”を気に入ると励まされる。「ママは?」と訊ねられたママは、2度と息子に会えないかもしれないと知って、言葉に詰まる。その時、オールド・ニックの足音が響く─。

〖本物の世界へ帰還したママと、飛び出したジャック〗
失敗に終わりかけた脱出劇が、ジャックの記憶力と出会った人たちの機転で、思わぬ結末に辿り着く。翌朝、病院で目覚めるママとジャック。初めて外の世界へと投げ出されたジャックは、見る物全てに対して驚きと戸惑いでいっぱいだ。ママの両親(ウィリアム・H・メイシー、ジョアン・アレン)が駆けつけるが、二人が離婚したことを知ってショックを受けるママ。 何日間か入院した後、ママとジャックはばあばが新しいパートナーであるレオ(トム・マッカムス)と暮らす家へと帰る。ママは奪われた人生を取り戻すはずだったが、現実の世界は決して楽園ではなかった。予想もつかない出来事が、次から次へとママに襲いかかる。一方、新しい世界での冒険を楽しみ始めたジャックは、傷つき疲れ果てたママのために、あることを決意する─。

公式サイトより引用 : https://gaga.ne.jp/room/

 

次はストーリーをポイントごとに解説していきます。

ここがポイント!!ネタバレ解説

ここからはストーリーをポイントごとに解説していきます。

息がつまる監禁生活

本作の前半は監禁されたママとジャックの描写のみとなっています。

ママは7年間小さな部屋に監禁され続けており、5歳になったばかりのジャックは生まれてからこの小さな部屋から1歩も外に出たことがないのです。

食事、睡眠、洗濯、お風呂やトイレにいたるまで全て監禁されている小さな部屋で行う2人・・・観ているこっちの息が詰まるほどです。

いやぁーこれは本当に酷い話だ・・・自分なら3日と持たないと思う。

なのにママは7年間この暮らしですよ・・・想像するだけで絶望します。

ママも勿論絶望したでしょう・・・でもそれを救ったのがジャックの存在ですね。

ジャックはこの部屋で生まれたので、5歳になるまで監禁された小さな部屋が世界のすべてだと信じ込んでいました。

しかしやがてそのことが酷くかわいそうなことのように感じ、ママはジャックに真実を告げるのです。

2人がオールド・ニックと呼んでいる犯人にママは7年前に拉致監禁されたこと、この部屋でジャックが生まれたこと、そして本当は世界はとてつもなく広いこと・・・。

始めは疑うジャックでしたが徐々に真実を受け入れていくようになるのです。

ジャックを守るため真実を隠してきたママ・・・いや、半分は自分の絶望を紛らわすためだったのかもしれません。

しかし、本当にジャックのことを思ったとき、やはり真実を告げることにしたのです。

無謀すぎる脱出計画・・・てか、そんなことしなくても余裕で出れたんだぞ!!

ジャックに世界の真実を告げたママ・・・そしてまだ見ぬ世界を多少信じ始めたジャック。

そして2人はついに脱出計画を立てるのです。

最初の計画は「ジャックが病気作戦」です。

熱湯をジャックの顔にかけ、熱が出たから病院に連れて行ってと言って犯人オールド・ニックを騙す作戦ですね。

これはあえなく失敗・・・てか、熱湯かけられるジャックがかわいそう過ぎるんですけど・・・。

そして次は「ジャックが死んじゃった作戦」

ジャックを絨毯でぐるぐる巻きにして、死んじゃったから埋めてきてと犯人オールド・ニックに頼む→車で運んでもらう→車の荷台でこっそり絨毯から抜け出し、車が止まった隙に周囲の人に助けてもらう。

という作戦です。

なんとこの危険極まりない作戦が見事に成功!!

マジかよ・・・。

無事2人は保護、犯人オールド・ニックも逮捕されるのでした。

しかしこの作戦・・・無謀すぎるだろーにと思ったのは僕だけではないはず(笑)

時間はあるんだしもっと考えなさいよと突っ込みたくなりました・・・そもそも車じゃなかったらどうするんだし・・・車がトラックだったからいいものの普通車だったらどうするんだし・・・絨毯のまま埋められたら終わりだし・・・危険すぎますよね・・・。

何気にこの脱出シーンはハラハラして面白いんですけどね・・・生まれて初めて部屋の外に出て、大きな空を見たジャックの描写は感動的でもありますし!!

でもね・・・どーしてもあと2つだけ突っ込みたいところがある・・・。

1つ目は絨毯にくるんだジャックを犯人のオールド・ニックが部屋の外に運んでいる瞬間・・・この時、絶対にママは外に出れたよね??ってこと・・・めちゃくちゃ隙だらけじゃねーか(笑)

2つ目はそもそも暗証番号の操作が部屋の中からできるんだから解除できたでしょ?ってこと(笑)

オールド・ニックが暗証番号を解除している音から察するに恐らく3もしくは4ケタの暗証番号式・・・あの大きさのパネルだと数字は0~9の10桁だと思われます。

そうなると暗証番号が4ケタだったとしても10000通りしか組み合わせはないんですよね・・・7年あったら余裕で全部試せたはずなんですよね・・・

もーこの記事読むのここでやめてもいいんで、是非、観直してほしい(笑)

まぁ、そこは映画だから突っ込まないでおきましょうということで無理やり納得しましたが・・・なんとなくこの辺は冷めた目で観てしまった部分ではあります。

映画のメインテーマは脱出することではないのですが、この辺をもっと丁寧に描いたらよりリアリティが増し、ママやジャックの心情ももっともっと響いてきたような気がしてなりませんでした。

殆ど描かれないオールドニック

ママとジャックを監禁しているのはオールド・ニックなる男。

オールド・ニックについては、7年前にママを拉致しそのまま監禁していること、たまにやってきて必要最低限のものを与えてくれること以外は殆ど描かれることなく終わります。

これは完全にママとジャックの物語にフォーカスしているということを意味します。

本作はサスペンスやサイコスリラーではなく、ヒューマンドラマなのです。

母と子の再生

本作で描かれているのはママとジャックの再生の物語です。

とりわけ7年間監禁され人生を奪われたママの再生の方に大きな比重が置かれています。

ジャックの方も再生を描いているようにも感じますが、こちらはどちらかというと未知なる世界との出会いの方に比重がいっているように感じます。

それはあたかも宇宙旅行のようです。

人類が初めて宇宙に飛び出て、月面に到着したような・・・世界が広がっていく感じです。

2人は映画の中盤で監禁部屋から脱出しますが、本当の意味で監禁部屋から解放されたのは映画のラストです。

そこに至るまでの経過を母子の絆や、家族の絆を通して描いているのです。

そしてなにより、ママが本当の意味で「母」となるまでを描いた作品なのです。

結末・・・グッバイ

監禁部屋を脱出した後のママは失った7年間の大きさを実感し、自殺を図るほど落ち込んでしまいます。

監禁部屋にいた時はジャックを守ることに全てを懸けてきましたが、外に出た途端に現実が重くのしかかってきたのです。

そしてやはりここでもママを救うのはジャックの存在でした・・・。

「良くないママね」というママに「それでもママだよ」と返すジャック・・・どんなことがあってもジャックにとってママはたった一人のママなのです。

ママは本当の意味でジャックを守っていこうと決心するのです。

本作ラストは、絆を取り戻したママとジャックが久しぶりに監禁部屋に戻り、監禁部屋に別れを告げるシーンで幕を閉じます。

ジャックにとってかつては世界のすべてだった小さな部屋・・・外の世界を知った今は驚くほど小さく見えます。

何も知らなかったジャックにとってこの小さな部屋はいわば故郷です・・・そんな故郷と別れを告げます。ジャックにとってはそれは新たな旅立ちのようなものです。

一方ママにとっては絶望を味わった忌まわしき監禁部屋です。

ジャックという希望を頼りに生き抜いた7年間・・・ママはこの時過去と別れを告げるのです・・・そう、ママにとってもそれは新たな旅立ちになったことでしょう。

2人はこの時ようやくこの小さな監禁部屋を脱出したのです。

 

以上が解説でした。
次は本作の基になった実話についてです。



映画「ルーム」は実話だった!

本作の原作はエマ・ドナヒューによる小説「部屋」です。

この「部屋」は実話を基に書かれた小説なんです。

実話は小説や映画以上に悲惨な事件です。

ここでは実際の事件について解説していこうと思います。

フリッツル事件・・・事件の概要

本作や原作小説の基になったのは、オーストリアのアムシュテッテンで起きた事件です。

2008年にその事件は発覚しています。

事件は、エリーザベト・フリッツルという女性が実の父であるヨーゼフ・フリッツル24年間もの間自宅の地下室に閉じ込められ肉体的暴力、性的暴力を受けていたというものです。

この24年の監禁生活の間、被害者エリーザベト・フリッツルは父親からの性的虐待により7人の子供を産み、1度流産を経験しています。

7人の子供のうち、1人は生後間もなく死亡、発見時19歳の娘ケルスティン、18歳と5歳の息子シュテファンとフェリックスは母と一緒に監禁されていました。

残りの3人の子供は父親であり犯人であるヨーゼフ・フリッツルとその妻によって普通に育てられています。

詳しい経緯はこうです。

1984年8月29日、エリーザベトの父はドアを運ぶ助けが必要なふりをして彼女を自宅の地下室に誘い出した。このドアは地下室を密閉するための最後の部品であった。ヨーゼフが枠の長さを測っている間、エリーザベトはドアを支えていた。ドアがはまると、ヨーゼフは彼女の顔めがけてエーテルを染み込ませたタオルを投げ、エリーザベトが意識を失うまで顔に押しつけた。彼はその後、彼女を地下室に投げ入れ、ドアに鍵を閉めた。

エリーザベトがいなくなると、母は失踪届を書いた。約1か月後、父はエリーザベトに地下室で無理矢理書かせた初めての手紙を警察に届けた。この手紙にはブラウナウ・アム・インの消印が押されており、彼女は家族に飽き飽きして友達と一緒にいること、両親が自分を探すようなことがあれば出国することが書かれていた。ヨーゼフは警察官に対し、彼女は狂信的なカルト宗教に入った可能性が高いと述べた。

エリーザベトは、最初の数日は壁に体当たりし、天井を引っ掻き、痛みに呻き、助けを求めて苦悶していたことを明らかにしている。彼女の爪は剥がれ、腕に血が垂れるまで指の皮膚で引っ掻き続けた。数日経つと、彼女は休日にハイキングにいっていると思い込もうとした。かつて見たことのある遠くの山を選んで、心の中でそこに辿り着くまでの計画を立て、出発した。彼女は地下室の階段の段数を知っていたために電気を消し、2時間経つと夜明けの雰囲気を出すために電気を点けた。眠りにつく時には、オーストリアの古い賛美歌"Still, Still, Still."を口ずさんだ。

24年の間、フリッツルは平均して3日に1度は彼女を訪れ、食糧や日用品を与えた。逮捕後、彼は娘の意志に反して繰り返し近親相姦していたことを認めている。

エリーザベトは監禁されている間に7人の子供を産んだ。1人は生後すぐに死に、リザ、モニカ、アレクサンダーの3人は幼児の頃に取り上げられ、ヨーゼフとその妻と暮らした。夫妻は地元の社会福祉事務所の許可を得て、3人を養子として育てた。当局は、ヨーゼフが3人が家のドアの前に置かれていた状況を「非常にもっともらしく」説明したと述べている。家族の元には何度もソーシャルワーカーが訪れたが、不満も聞かず、おかしいと感じることもなかった。

1994年に4人目の子供が産まれた後、ヨーゼフはエリーザベトと子供達のために、地下室をそれまでの35m2から55m2に拡張した。またテレビやラジオ、ビデオ等も与えられた。食糧は冷蔵庫で保存でき、ホットプレートで調理することもできた。エリーザベトは子供達に読み書きを教えた。彼らを罰する時には、ヨーゼフは数日間地下室の電気を消すか、食糧の供給を止めた。

ヨーゼフは、エリーザベトと3人の子供が脱出を企てた時にはガスで殺すつもりだったと供述したが、地下室にはガス管がなかったため、捜査官はこれは単なる脅しであると結論付けた。ヨーゼフは逮捕後に、もしドアに近づくと電気ショックで死亡すると脅しておくだけで十分だったと述べた。

彼の義妹のクリスティンによると、ヨーゼフは毎朝9時に、表向きには彼が農家に売っていた機械の図面を描くために地下室に行っていた。彼はしばしば夜までそこに留まったが、妻はコーヒーを持って行くことも許されていなかった。また、家の1階部分を12年間借りていた店子は、地下から声を聞いたが、ヨーゼフはガス暖房の音だと答えたと述べた。

Wikipediaより引用

映画よりもっともっと悲惨な事件だったことが伺えます・・・。

実際の脱出

24年間監禁されていたエリーザベトが監禁部屋を脱出した経緯はこうです。

2008年4月19日、長女のケルスティンが意識を失い、ヨーゼフは病院に連れて行くことを了承した。エリーザベトはヨーゼフがケルスティンを地下室から運び出すのを手伝い、24年ぶりに外の景色を眺めた。エリーザベトはその後地下室に戻された。ケルスティンは救急車で地元の病院(Landesklinikum Amstetten)に運ばれ、命に関わる重篤な腎不全と診断された。ヨーゼフは遅れて病院に到着し、ケルスティンの母が書いたノートが見つかったと主張した。ヨーゼフは医師のアルベルト・ライターとケルスティンの病状やノートのことについて議論したが、病院のスタッフがその説明に矛盾を感じ、4月21日に警察に通報した。また彼は公共メディアを通して、行方不明の母親に関する情報を提供するように呼びかけ、またケルスティンの病歴に関する追加情報を提供した。警察はエリーザベトの失踪に関する捜査を再開した。ヨーゼフは、彼女はカルト宗教に入信し、直近の彼女からの手紙は2008年1月の日付でケマテンから投函されたものあると主張した。

警察は、教会でカルト宗教に関する情報を集めているマンフレート・ヴォルハールトと接触し、ヴォルハールトはヨーゼフの主張するカルト宗教の実在を否定し、またエリーザベトの手紙は言われたことを書かされたような奇妙なものに見えると指摘した。ニュースはこの事件について報じ、エリザベスは地下室のテレビで知ることになった。彼女は父に病院に行かせてもらうように頼み込み、4月26日、ヨーゼフは、息子のシュテファンとフェリックスとともにエリーザベトを解放した。ケルスティンが病院に運ばれてから1週間後のことであった。ヨーゼフは妻には、エリーザベトが24年ぶりに帰って来ることを決意したと話した。知事のレンツは、オーストリア放送協会に対し、ヨーゼフが彼に電話をかけてきて、孫娘のケルスティンが病気の間、家族の世話をしたことに感謝したと語った。ヨーゼフとエリザベスは、ケルスティンが4月26日から治療を受けている病院に向かった。ヨーゼフとエリーザベトが病院にいるという連絡をアルベルト・ライター医師から受け、警察は病院の敷地内で彼らを拘束し、尋問のため警察署に連行した。

警察がエリーザベトに対し、2度と父親と会う必要はないと約束するまで、彼女は詳細を語ろうとしなかった。その後の2時間で、彼女は24年間に及ぶ囚われの生活について語った。深夜を過ぎた頃、警察官は3ページの調書をまとめた。ヨーゼフは家族に対する不法監禁、強姦、過失致死、近親相姦等の重罪の疑いで逮捕された。4月27日の夜に、エリーザベトとその子供、母のロゼマリアは警察に保護された。

Wikipediaより引用

実際には映画のような脱出計画で脱出したわけではないようですね。

映画では「ジャックが病気作戦」を試みるシーンがあります。

なんとなく実際の事件を彷彿させる描写になっていますね。

実際の監禁部屋

映画の監禁部屋は犯人の自宅の庭にある納屋で、その部屋は狭く、扉は電子ロック式の鉄の扉といった作りでした。

しかし、実際の事件で使われた監禁部屋はもっと大掛かりなものだったようです。

実際の監禁部屋は、事件の犯人であるヨーゼフの自宅の地下に作られていました。

広さは55平方メートルと何気に大きく、部屋も3部屋あり、廊下や風呂、台所、ベットもあったようです。

この地下室でどのように監禁されていたのかは不明ですが、映画のように小さい部屋に全てがあるような作りではなかったのかもしれませんね。

まぁ、いずれにせよ快適だったはずもなく酷すぎる話ではあります。

そして部屋に入る扉に関しては、ヨーゼフの地下の仕事場の戸棚の裏に隠され、遠隔操作の電気コードで守られていたそうです。

しかもこのドアに辿り着くためには、5つの鍵のかかった部屋を通る必要があったそう。

最終的にエリーザベトや子供たちが監禁されていた部屋に入るには合計8つのドアを解錠する必要があり、そのうち2つのドアはさらに電子錠で守られていたそうです。

実際に部屋を見たことが無いのでイメージがわきませんが・・・とにかくめちゃくちゃ厳重だったということが分かります。

事件のその後

犯人であるヨーゼフは15年間仮釈放なしの終身刑となり、もちろん現在も服役中です。

助けられたエリーザベトと子供たちは、日光に当たっていなかった為、光に弱く治療が必要だったそう。

また、精神的な治療も必要だったようで精神病院で治療を受けています。

最終的にエリーザベトと6人の子供はオーストリア北部の無名の村に移住し、そこで砦のような家に住んでいるそうです。

また、子供達全員が、近親相姦で産まれた子供に共通する遺伝的な問題を抱えていたようですが、詳細は不明。

その後、子供たちには全ての真実が告げられています。

事件後も映画よりずっと過酷な状況が続いたことが容易に想像できます。

本当に酷いです。

実際の事件と映画の比較

実際の事件について知ってしまうと、実際の事件は映画の比じゃないほど酷い事件だったことが分かりますね・・・。

特に実際の事件の犯人が実の父親だったことに驚きです。

また、監禁期間も実際は24年とあまりに長すぎることに絶望感が半端ないです・・・子供も映画ではジャック一人ですが実際は8回の妊娠と7回の出産ですからね・・・。

言葉になりません。

実際の事件と映画は基本的に全く違うように思います。

実際の事件を基にしているとはいえ、別物と考えた方がよさそうです。

 

以上が実際の事件についてでした。

次は原作小説と映画との違いについてです。

原作小説との違い

本作の原作は エマ・ドナヒューの小説「部屋」です。

この小説は実際の事件「フリッツル事件」を基にしたフィクションです。

映画は実際の事件ではなくこの小説を映画化しています。

基本的な流れは映画と小説は同じですが、小説の方がより細かく描かれています。

小説との主な違いは以下のようなものが挙げられます。

 

原作小説と映画の違い
  • 小説は全てジャックの一人称で物語が語られている。
  • 小説ではママが監禁部屋から脱出を試みる様子が描かれている。
  • 小説ではママはジャックを生む前に2回妊娠。子供は流産と出産直後の死亡だった。死体は部屋のすぐそばに埋められています。映画で絨毯にくるんだジャックを運ぶオールド・ニックが立ち止まるのは、またそこに埋めようと考えた描写なのかもしれません。
  • 小説ではレオは犬を飼っていない。
  • 小説ではジャックは自分で髪を切っている。その後、ばあばがブレスレットにしてくれ、それをママにプレゼントしている。
  • 小説ではジャックはばあばに髪を洗った後「愛してる」と言っていない。
  • ママはじいじとばあばの養子であり、実の親子ではない。
  • 小説では監禁部屋に戻ることなく2人で厚生施設に入っている。また、実家も出て2人で再出発している。

 

小説を映画にするときはどうしても削らないといけないエピソードが出てきてしまいます。

それは仕方のないことです。

しかし、ママが脱出を試みる様子くらいは描いておいた方が良かった気がします。

なんとなく監禁生活に悲壮感がなく、やっと出られた感が薄かったのが個人的に気になりました。

もちろん、ママとジャックの関係にフォーカスした作りですので、そういったことを描くことによってヒューマンドラマ感が薄れてしまう危険もありますが・・・本作の肝はママの再生だと思うので、ママの絶望から描いても良かったのではと感じてしまいます。

 

以上が原作小説との違いでした。
次は世間の評価と個人的感想です。



評価と感想

ここからは世間での評価や個人的な感想を書いていきたいと思います。

まずは世間での評価から。

世間での評価

本作の世間での評価は5点満点中3.9点(Yahoo!映画)となっています。

かなり高評価です。

特に女性、中でも自分も母である女性からの支持が多いように思います。

やはり母親にしか分からない感情があるのかもしれません。

実際の声はこんな感じ。

 

因みに本作は第88回アカデミー賞において主演のブリー・ラーソン主演女優賞を受賞しています。その他にも3部門(作品賞、監督賞、脚色賞)でノミネートされました。

アカデミー賞以外でも多くの映画賞で賞を獲得しています。

特に主演のブリー・ラーソンはゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞でも主演女優賞を獲得するなど大きな評価を得た作品になりました。

 

次は個人的な感想です。

個人的感想

ここからは個人的な感想を書いていきたいと思います。

映画はジャックの5歳の誕生日から始まります。

よくある母子の平凡な誕生日かと思いましたが、すぐに2人が置かれた状況が異常だということに気付きます・・・。

説明やセリフなどなく、描写だけでその異常な状態を表現している点に妙に怖さを感じました。

ジャックは真実を知らないので無邪気です。ママの感情を想像すると、そのことで余計に悲しくなり切なくなります。

凄く映画的で良い始まりだと思いました。シチュエーションも興味を引くには十分ですしね。

また、ジャックの可愛さや、ブリー・ラーソン演技力もあり、一気に映画の世界に引き込まれました。

個人的にはジャックが生まれる前のママの絶望や、脱出を試みる描写がもっと欲しかったなって思いますが、サスペンスではなくヒューマンドラマに完全にフォーカスした作りにするために無駄な要素は徹底的に排除したんでしょうね・・・。

好みは別にして、なかなか潔いと思います。犯人であるオールド・ニックのことにほとんど触れないまま終わるのも母と子のヒューマンドラマにフォーカスしたかったからでしょう。

脱出計画の陳腐さや、隙だらけのオールド・ニックが個人的に引っ掛かりましたが、そもそもそういったサスペンス的な要素には目もくれていないということが映画を最後まで観て理解できました。

まぁ、突っ込みたくはなっちゃうんですけどね(笑)

そして、やはりこの映画は監禁部屋を脱出してからの後半部分が本質となる部分です。

とはいえ、前半の監禁生活の描写があってこその後半ですから前半もめちゃくちゃ重要です。

本作は再生の物語です。

しかし、一言に再生と言っても、「監禁生活からの人間としての再生」「母としての再生」「母子の絆の再生」「家族との絆の再生」・・・さまざまな面が描かれているように感じます。

と、同時にママの成長の物語であるようにも感じました。なんなら、これが一番強く感じたかもしれません。

監禁に絶望したママはジャックの誕生によって希望をもらいますが、ジャックの将来を思い真実を告げ脱出します。脱出後は失われた自分の人生と監禁中のジャックに対する自分の行動が正しかったのかということに悩み自殺を図るまでに自分を責めてしまいます。そしてそんなママを救うのはまたしてもジャックの存在です。

後半、「ダメなままね」と自分を責めるママに「それでもママだよ」というジャック・・・このシーンこそ本作の一番のメッセージな気がします。

ママの親としての自覚は独りよがりだった面もあるかもしれません・・・しかし、ジャックの気持ちに気付いた時にそれは本当の母の愛に変わったのではないでしょうか?もちろん、それまでのママのジャックに対する気持ちが嘘だったわけではありませんが、本当の意味で母と子の絆に変わったんだと思います。

他にも5歳まで小さな部屋が世界のすべてだったジャックが新しい世界に踏み出していく様子や、ばあばやレオとのストーリーもとても良いものでした。

それぞれの思いがあり、それを一つずつ受け入れて再生していくママとジャック・・・。

個人的には、じいじがジャックを受け入れることができなかったシーンが印象的でした。綺麗ごとだけじゃないリアルな描写によって、じいじとレオとの対比がより鮮明になっていました。深く考えさせられますね。

こういった何気に深く考えさせられるシーンが多くて、大きな感動や驚愕の展開はないものの良い映画だったと思います。

女性の方や、特に子を持つ母親の方などは余計に思うところがあるのではないでしょうか?

本作を本当に理解できるのは母親になったことがある人だけなのかもしれませんね・・・。

 

個人的満足度

 

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