
映画ワールドオブライズは2008年公開のアメリカ映画です。
監督はエイリアンシリーズでお馴染みのリドリー・スコット監督。
そして主演はレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウというハリウッド2大スターの共演です。
ともすれば期待は大いに膨らみますね!!
ところがです・・・。
期待が大きすぎたのかなんなのか・・・本作は良作ではあるものの名作とまではいかない普通な印象です。
とはいえ、本作に込められたメッセージは当時のアメリカを反映した奥深いものだと個人的には思っています。
巧みな情報戦の裏で葛藤するフェリスを見ていると、アメリカ国民の「心の声」を聞いているような気がしてなりませんでした。
この記事ではそういった僕個人の観点から本作を解説しています。
また、評価や個人的な感想も書いていますので是非楽しんでください。
記事の最後には
Blu-ray/DVD情報や本作を動画配信サービスで視聴する方法もご紹介していますので、併せてチェックしてみて下さいね!
では、早速ネタバレとあらすじ解説いってみましょう!!
もくじ
ワールドオブライズのネタバレとあらすじ解説
作品情報とキャスト
映画ワールドオブライズは2008年公開のアメリカ映画です。
興行収入は全世界で1.186億ドルとなっています。
製作:ドナルド・デ・ライン、リドリー・スコット
製作総指揮:マイケル・コスティガン、チャールズ・J・D・シュリッセル
脚本:ウィリアム・モナハン
撮影:アレクサンダー・ウィット
音楽:マルク・ストライテンフェルト
エド・ホフマン : ラッセル・クロウ
ハニ・サラーム : マーク・ストロング
アイシャ : ゴルシフテ・ファラハニ
バッサーム : オスカー・アイザック
ガーランド : サイモン・マクバーニー
アル・サリーム : アロン・アブトゥブール
オマール・サディキ : アリ・スリマン
本作の監督を努めるのはエイリアンシリーズで有名なリドリー・スコット監督です。
そして主演にディカプリオ!!
共演にはラッセル・クロウ!!
ラッセルクロウは、2000年公開のアカデミー賞受賞作品「グラディエイター」始め、多くのリドリー・スコット監督作品に出演していますね!!
まさに2大スター夢の共演・・・本作は存在感抜群の2人が作品をグイグイ引っ張っていきます。
早速あらすじのご紹介。
あらすじ
世界を救おうとする2人の男。CIA工作員のロジャー・フェリス(ディカプリオ)と、彼の上司であるベテラン局員、エド・ホフマン(クロウ)。
フェリスは、世界中の情報網の中枢に潜入し、現場を知らない上司にキレながらも、命を張って働く男。一方のホフマンは、平和な自宅や安全な本部から電話一本で命令し、部下の意見は無視する冷酷な男だ。
そんな生き方も考え方も違う2人の目的はひとつ。地球規模の爆破事件のリーダーを捕まえること。
足跡すら残さない正体不明の犯人をおびき出せるのは、「世界一の嘘」しかない。フェリスとホフマン、そして他国の諜報部の、息もつけない頭脳戦が始まった!
果たして世界を救うのは、いったい誰のどんな嘘か──?公式サイトより引用 : https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2590/
次は本作のポイントを解説していきます。
ここがポイント!!
ディカプリオとラッセル・クロウの2大スター共演
本作の中心はフェリスを演じるディカプリオと、その上司ホフマンを演じるラッセル・クロウです。
まさにハリウッドスター夢の共演ですね!
ディカプリオの演技は本作でも安定の領域。
特に拷問シーンなどは本当にリアルで、観ているこちらが思わず目を背けたくなるほど。
ディカプリオは痛がったり苦しんだりする演技が特にうまいですね!!
また、アラビア語も難なく使いこなし、役に対する熱意が相変わらず凄まじいです。
そしてラッセル・クロウ・・・本作の出演が決まった時、リドリー・スコット監督から真っ先に言われたことは、「体重を20キロ増やしてほしい」ということだったそうです。
無骨な男といったイメージが強いラッセル・クロウですが、本作では体重増加の効果もあり貫禄が凄いです。
そんな2人を中心に物語は進んでいきますので、見応えも十分です。
対照的なフェリスとホフマン
フェリスを演じるディカプリオと、その上司ホフマンを演じるラッセル・クロウ。
フェリスは常に死と隣り合わせの中東諸国で現場任務に就くCIA工作員。
一方のホフマンは、フェリスの上司であり、安全な本国アメリカから電話1本で指示を出すCIAエージェント。
2人は性格の方も対照的で、フェリスは人間味があり、現場主義の男・・・しかし上司のホフマンの命令は絶対。
ホフマンは任務の為ならなんでもする冷酷な男です。
置かれている状況も性格も全く違う2人が描くコントラストこそが、この映画の最大のテーマでありメッセージとなっています。
この2人の考え方や行動は思いっきり当時のアメリカを反映し、皮肉った表現なのではないでしょうか?
また他にも、最新技術で戦争をするアメリカと、携帯やメールを使わず昔ながらの戦いをするテロリストなど、この映画はそういった正反対の対比も見所の1つだと思います。
主演2人+ハニの三角関係!?
フェリスとホフマンの他に本作で重要な位置を担うキャラクターがヨルダン情報局のハニです。
ハニはホフマンとは全くの正反対な男。
仁義を大切にする厳格なイスラムの男・・・フェリスにも「絶対に嘘はつくな」と言い、信頼関係を何より大切にする男です。
フェリスは、ホフマンとハニという正反対の考えをもつ2人の板挟みのような状況になってしまうのです。
それぞれの正義のために行動するホフマンとハニとは違い、自身の考えは二の次の兵士でしかないフェリス・・・本作はそんなフェリスが一連の戦いの中から自分自身を見つける映画でもあります。
フェリスとアイシャの恋
戦いの中で負傷したフェリスは病院で看護師のアイシャと出会い、恋に落ちていきます。
巧みな情報戦や嘘に嘘で固めたスパイ活動、妻との離婚・・・疲弊したフェリスにとってアイシャは唯一心から信頼できる存在だったのかもしれません。
現場を知らないホフマンには到底理解できないであろう現地の女性との恋は、中東諸国であるだけで全てが敵だという当時のアメリカが持っていた偏見的風潮への警鐘のようにも映りますね。
どんでん返し?クライマックスで明かされる最大の嘘
本作の日本語タイトルは「ワールド・オブ・ライズ」です。
直訳すると「嘘の世界」です。
まさにタイトル通り本作は、様々な嘘で固めた巧みな情報戦が展開されていきます。
特に一般市民をテロ組織に仕立ててアル・サリームを誘い出す作戦は、その壮大さやハラハラ感と共に、こんなことが実際あったら恐いなと恐怖さえ感じますよね。
また、フェリスがテロ組織に拘束されてから救出されるまでのラストシーンも圧巻です。
その全てがハニが仕組んだ作戦だったのですから本当にびっくりです!!
アイシャを誘拐したのも、電話で人質交換の交渉したのもハニによる作戦だったのです。
嘘が嫌いなハニが騙す方に回るとは思ってもみませんでしたしね。
結局、ハニの一人勝ちといったところでしょうか。
決別するフェリスとホフマン
映画のラストで、フェリスは好待遇での帰国と昇給昇進を断り、現地に残ることをホフマンに告げます。
そしてアイシャの元に行き、現地で生きていこうとするフェリスを見て、ホフマンも説得を諦めています。
結局、最後まで対照的なフェリスとホフマンが分かり合える時は来ませんでした。
上司と部下という関係が終わった時、フェリスが選んだのは自分の信念に基づく道だったわけです。
中東での任務を通して、現地の人々の信念の深さに触れたことによってフェリスもまたそういったものを大切にしようと思ったのではないでしょうか?
ハニにしてもアル・サリームにしてもそれぞれの信念の為に戦っているのです(その方法が間違っていたとしても)。
ホフマンはアメリカを象徴する存在として描かれています。
信念のない戦争・・・単なる報復戦争・・・映画を通して感じるのはイラク戦争に対するアメリカの姿勢への批判や疑問です。
ラストで、フェリスはホフマンに「自分をアメリカというのは止めろ」と言っています。
もしかしたらフェリスが象徴しているのはアメリカ国民の「心」だったのかもしれませんね。
次は、本作はディカプリオ主演作の中では地味!?な件についてです。
ディカプリオ主演作の中では地味!?
本作はディカプリオ主演映画の中でもかなり地味な部類に入るのではないでしょうか?
ディカプリオと言って真っ先に名前が上がる映画ではないと思いますし、代表作と言われることもないでしょう。
ディカプリオ出演作品は基本的に良作ばかりで、本作も良作ではあると思います。
しかし本作が公開された2008年ころのディカプリオ作品はちょっと印象が薄いですね。
タイタニック現象も落ち着き、俳優として過渡期を迎えていたのではないでしょうか?
実際、この作品の後、2010年のシャッターアイランドやインセプション~2015年のレヴェナントでアカデミー賞主演男優賞に輝くまでの5年でのディカプリオは黄金期ともいえる充実ぶりです。
キラキラのレオ様から脱却し、現在のワイルドでタフなイメージを手に入れるための準備期間・・・本作はそんな中での作品のように僕は思っています。
次は主題歌についてです。
主題歌はGUNS N’ ROSES
本作の主題歌はアメリカのロックバンドGUNS N’ ROSESの「If the World」です。
2008年発売のアルバム「Chinese Democracy」に収録されています。
このGUNS N’ ROSESの「Chinese Democracy」というアルバムは製作期間14年、製作費14億という破格のスケールで製作されたアルバムです。
当時、発売前のアルバム曲を映画でいち早く聴けるということで話題になりました。
映画用に製作された楽曲ではありませんが、中東っぽいイントロが映画にマッチしていますね。
ただ、この曲はGUNS N’ ROSESの代表曲でもなければ隠れた名曲でもない・・・とっても地味な曲です・・・いや、なんなら捨て曲です(笑)
では、なぜわざわざ記事にしているかというと・・・。
それは僕がGUNS N’ ROSESのファンだからです(笑)
はい、それだけです(笑)
もし興味があったら是非他の曲を聴いてみて下さいね!
GUNS N’ ROSESの代表曲と言えばこれ↓↓
余談ですが、この頃、GUNS N’ ROSESのボーカルであるアクセルローズとディカプリオが、ハリウッドのバーで一緒にお酒を飲んでいるといったことがニュースになっていました・・・今やハリウッドを代表する重鎮2人の飲み会・・・さぞ豪勢だったのでしょうね(笑)。
次は評価と個人的な感想です。
評価と感想
世間での評価
本作の世間での評価は5点満点中3.5点(Yahoo!映画)です。
まぁ、普通といった評価が目立ちますね。
悪くはないけど特別絶賛するほどでもないという感じでしょうか。
実際の声はこんな感じ。
【ワールドオブライズ】
☆☆
ディカプリオが珍しくCIA役で珍しがったが話的には微妙。嘘と書いてあるがそこまでの大きな嘘感がなくあまり盛り上がりに欠けたまま終わってしまう。#ワールドオブライズ #映画 #洋画 #映画評論 #followme #f4f pic.twitter.com/Mz86YtKc4d— 北京ダック (@newwingsb) 2019年6月18日
ワールドオブライズ、観ました。本格派アクション・サスペンスと銘打つなら、少しどちらの要素も物足りなかったかな……という印象。但し終盤、主人公がどのような結末を迎えるのかは観ていてハラハラしました。
全体的に、名監督、役者が揃っていただけに、ちょっと残念......。 pic.twitter.com/RK8P1ljjak— リカオン (@Lycaon_1337) 2018年4月30日
@ak_at おはようございます!リドリースコット監督のワールドオブライズっていう映画です\( 'ω')/この映画を一言でまとめると、ディカプリオがラッセルクロウに「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!!」と言う映画です。
— 三遊亭フリーザ☔ (@domburi_530) 2012年5月13日
続いて個人的な感想です。
個人的な感想
さて、ここからは恒例の個人的感想です。
僕は基本的にディカプリオが大好きです。しかし、戦争ものの映画は苦手ジャンルです。
なので本作は一抹の不安を抱えながら観始めました。
ところが、そこはやはりディカプリオとラッセル・クロウの共演・・・2人の存在感にすぐに引き込まれていきました。
本当に2人とも最高でした!!
また、ハニを演じるマーク・ストロングもかなり良い感じ!!
この3人を中心に騙し騙されの駆け引きが戦争という状況も相まってかなりの緊迫感を生んでいます。
ですが、ストーリーは思ったより単純ですので、普通評価が多いのも頷ける話ではあります。
個人的にはストーリー云々というより、本作に込められたメッセージ性の方が印象に残りました。
フェリスとホフマン、そしてハニやアル・サリームなど人物や国家を対照的に描くことによって問題提起している・・・まぁよくある手法と言えばよくある手法なのですが、当時のアメリカが置かれていたイラク戦争を背景に観ていくととっても興味深いような気がします。
ホフマンは報復戦争に躍起になるアメリカ政府そのものであり、フェリスはそのことに疑問を感じながらも従うしかないアメリカ国民を現わしているように見えてなりませんでした。
最終的にそんなホフマンとアメリカに嫌気がさして中東で出会った愛する人のもとに残る決意をしたフェリス・・・現地で信念のある人々のそれぞれの正義に触れ、自らもまた己の信念に正直でありたいと願うようになる姿に、社会的なメッセージを感じずにはいられません。
ワイルドでタフな外見とは裏腹に内面は弱くて脆い部分がある・・・まさにアメリカ国民の「心」を象徴するようなフェリス・・・そしてそのフェリスはアメリカ人に、信念を貫くことで開ける道もあるということを教えているのかもしれませんね!!
端的に言ったらこの映画はイラク戦争への疑問を投げかけた映画だと思います。
まぁ、僕は純粋な日本人で日本に住んでいますので、本当のところはわかりませんが・・・。
でもこのような状況って日常生活や仕事の時などにもしょっちゅうあることのようにも思います。
自分の生活に置き換えて感情移入できるような作りにもなっていて、そこはやはりエンターテイメントだなって思います。
そういった作りにすることでメッセージ性をより伝わりやすいようにしている点はさすがだなって思います。
それから、リドリー・スコット監督お得意のリアルな描写も現実味があってよかったです。
中東の街並みから戦闘シーン、登場する武器にいたるまでリアルさを追求した描写は圧倒的です。
そこにリアルな演技に定評があるディカプリオが主演ときたら、それはもうドキュメンタリー並みの完成度になります(笑)
とはいえ、どこか物足りなさを感じるのも事実なんですよね・・・。
普通であるという評価も分からなくはないのです・・・。
俳優も演出も良くて、ストーリーもメッセージ性も悪くない、ラストの展開だって結構驚きます・・・なのにどうしてなんですかね(笑)
僕にも分かりません(笑)
目新しさが足りないんですかね?
意外に淡々としているからでしょうか?
うーん。どうなんでしょう。
ハマる人はハマる映画だとは思いますが、ディカプリオ作品の中では何とも言えない微妙な立ち位置の作品となっていますね。
僕も決して駄作ではないと思いますが、まぁ普通といった感想です。
次はBlu-ray/DVD情報です。
ワールドオブライズをBlu-ray/DVDで観よう!
本作のBlu-ray版にはなんと別エンディングが特典として収録されています。
Blu-ray版のみの特典のようですので購入するならBlu-rayをおススメいたします。
次は本作を動画配信サービス/VODで視聴する方法をご紹介します。
ワールドオブライズを動画配信サービス/VODで視聴する方法
Hulu 〇
U-NEXT 〇
amazon プライムビデオ 〇
dTV 〇
配信が終了している場合もありますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。