アリースター誕生は実話?曲は名曲揃い!あらすじをネタバレ解説
映画アリースター誕生は2018年公開のアメリカ映画です。

ブラッドリー・クーパー初の監督作品として大注目の本作でしたが、内容は予想をはるかに上回る傑作になっています。

また、ブラッドリー・クーパーは、監督だけでなく主演もこなし見事な歌声まで披露するという力の入りよう。

さらに、レディー・ガガの映画初主演作としても本作は注目されました。

こちらも予想をはるかに上回る名演を見せてくれています。

賛否両論ある本作ですが、ストーリーの単純さやうわべの演出に惑わされていませんか?

本作は単なるサクセスストーリーやラブストーリーでは全然ありません。

本作のテーマは「価値観」です。

そしてブラッドリー・クーパーの名刺代わりの1作です。

それからなんと言ってもラストシーンがとんでもない破壊力!!!号泣必至です。

この記事では本作について僕個人の見解を交えて徹底的に解説しています。

もしかしたら見方が180度変わることもあるかもしれません。

また、劇中に使われた楽曲についても解説しています。

ぜひ最後まで楽しんでください。

記事の最後にはBlu-ray/DVD情報や動画配信サービスで視聴する方法もご紹介していますので併せてチェックしてみて下さい!

 

ではまずは本作の解説からです。

もくじ

あらすじをネタバレ解説

作品情報とキャスト

映画アリースター誕生は2018年公開のアメリカ映画です。

興行収入は全世界で4.342億ドルとなっています。

 

スタッフ
監督 : ブラッドリー・クーパー
脚本 : エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ
原作 : ウィリアム・A・ウェルマン『スタア誕生』
製作 : ビル・ガーバー、ブラッドリー・クーパー、他
製作総指揮 : ラヴィ・メータ、他
キャスト(役名 : 俳優)
ジャクソン・“ジャック”・メイン : ブラッドリー・クーパー
アリー : レディー・ガガ
ボビー : サム・エリオット
ロレンツォ : アンドリュー・ダイス・クレイ
ジョージ・“ヌードルス”・ストーン : デイヴ・シャペル
アレック・ボールドウィン : 本人役
マーロン・ウィリアムズ : 本人役
ブランディ・カーライル : 本人役
ホールジー : 本人役
ドン・ロイ・キング : 本人役

 

続いてあらすじです。

あらすじ

昼はウエイトレスとして働き、夜はバーで歌っているアリー(レディー・ガガ)は、歌手になる夢を抱きながらも自分に自信が持てなかった。ある日、ひょんなことから出会った世界的シンガーのジャクソン(ブラッドリー・クーパー)から歌を高く評価される。アリーは彼に導かれてスター歌手への階段を上り始め、やがて二人は愛し合うようになるが、ピークを過ぎたジャクソンは、徐々に歌う力を失っていく。

引用 : https://www.cinematoday.jp/movie/T0013299

 

では、続いては本作のポイントとなる点を解説していきます。

ここがポイント!!

ここでは本作をポイントごとに徹底解説していきます。

ブラッドリー・クーパーの初監督作品

本作の一番の注目はなんといってもブラッドリー・クーパーでしょう!!

ブラッドリー・クーパーと言えば「ハングオーバー」シリーズ、「アメリカン・スナイパー」などなど多くのヒット作に出演する人気実力ともにトップクラスの俳優。

また、アベンジャーズシリーズのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーではロケットの声を担当していることでも有名です。

そんな彼が初めて監督に挑んだのが本作になります。

また、自らも主演としてアリーの恋人ジャックを演じています。

演技力に関してはもはや説明不要でしょう!!今回も本当に素晴らしい!!

本作の準備に4年という期間を費やし、自らは歌のレッスンも受け、多くのミュージシャンと映画用の楽曲を製作し、全てにおいて「本物」を目指したという本作は、初監督とは思えない素晴らしい出来栄えになっています。

映画初主演のレディーガガ

ブラッドリー・クーパーと共に本作の主演を努めるのは、ミュージシャンのレディーガガです。

レディー・ガガにとってまともな映画出演は本作が初めて・・・もちろん主演も初めてのことです。

レディー・ガガに関してはヒット曲程度しか知りませんでしたが、本作でのレディー・ガガは本当に素晴らしかったです。

歌に演技にと大活躍・・・「敢えてガガっぽさを封印した」という本作での歌唱はお見事ですし、「自身と重なる部分がある」という演技部分も最高でした。

レディー・ガガの熱心なファンではない僕からしたら、本作の演技は驚きでしかありませんでした!!

歌唱シーンは本業だけあって素晴らしいの一言ですしね!

また、ブラッドリー・クーパーと共に作曲にも関わるなど、本作に懸ける意気込みは半端ないです。

アリーについて

本作の主人公はレディー・ガガ演じるアリーです。

プロの歌手を目指すものの、自分に自信が持てないアリー。

そんなアリーが地元のバーで歌っていたところ、彼女の才能をいち早く見抜いたジャックが自身のバンドに引き入れます。

そしてジャックと恋に落ちます。

その後はあれよあれよという間にスターになっていく・・・まさにサクセスストーリーです。

またどんなにジャックが最低でもジャックを一途に想い続けるアリー・・・アリーは、自分がスターだとかジャックが依存症だとかは関係なくジャックを愛しています。

しかし、だからこそラストでジャックとすれ違ってしまいます。

女性って地位とか名誉とかそういうことあんまり気にしないんじゃないでしょうか?

気にするのは男性だけ・・・。

こういった本作で描かれる男性像と女性像は古いといった意見もありますが・・・それを言ってしまったら元も子もないので・・・。

複雑な男ジャクソン・メイン

本作のもう一人の主人公はブラッドリー・クーパー演じるジャクソン・メイン・・・通称ジャックです。

ジャックは売れているミュージシャン・・・いわばロックスターです。

アリーの才能をいち早く見抜き、そしてアリーに恋をします。

しかし、ジャックは重度のアルコール依存、薬物依存です。

そういったこともあり、あれよあれよという間にスターの座から転げ落ちていきます。

アリーへの一途な思いとは裏腹に、その内面は本当に複雑な男として描かれています。

どんどんスターダムにのし上がっていくアリーとは反対に落ちていく自分・・・喜びたいけど素直に喜べない状況だったり、男としてどうなの的な葛藤があったり・・・。

また、音楽面でもロックこそが本当の音楽だと信じているので、売れたアリーが歌うポップソングを否定し、以前のようなアリーに戻ってほしいと願う・・・本当の君の良さはそうじゃないだろ?的な感情があったり・・・。

最終的にはアリーの為に自分がいなくなるという決断・・・。

恋愛面でも音楽面でも一途で真っすぐな思いと、一途がゆえの苦悩や葛藤が同居した本当に複雑な男です。

ブラッドリー・クーパーの歌が素晴らしい

本作の歌は全てレディー・ガガとブラッドリー・クーパー本人が歌っています。

レディー・ガガは本業が歌手ですので素晴らしいのは当然なのですが、本作では俳優であり監督のブラッドリー・クーパーの歌も本当に素晴らしいです。

それもそのはずなんです!!

ブラッドリー・クーパーは本作の準備期間中、長い期間をかけてボーカルレッスンを受けています。

そして、そのレッスンをしたのが世界的なボーカルトレーナーのロジャー・ラブ氏です。

このロジャー・ラブさんは、ボイストレーナー界では超有名な人で、数々のトップ歌手を指導しています。

その甲斐あってか、本作でのブラッドリー・クーパーの歌唱はお見事としか言いようがないほど素晴らしいものになっています。

因みにロジャー・ラブさんはボイストレーニングの本を何冊か出していて、日本語版も出版されています。

ボーカリストを目指している方や歌が好きな人は是非一度読んでみてください!

因みに僕も歌が好きで、昔よくこの本で練習していました。

めちゃくちゃわかりやすいですし、レッスン用の付属CDの熱の入りようといったら感動的ですらあります。

へたなボーカルスクールに大金払うくらいならこれ1冊で十分な内容です。

時代性

本作には明確な時代設定がありません。

作品全体を覆うのは70年代っぽい雰囲気ですが、車やレコーディング機材、イヤモニター、動画サイトやスマホなどなどシチュエーション自体は現代的なシーンも多いです。

というか、アリーとジャックだけ70年代やってる感じでしょうか?

でも、そういった時代設定は敢えて曖昧にしているように感じます。

中心は2人だけ

本作はアリーとジャックの物語です。

それ以外の部分は殆ど描かれていません。

2人を取り巻く環境、周囲の人々との関係・・・全て必要最低限の描写しかありません。

完全にアリーとジャックにフォーカスした作りになっています。

ですので、アリーがどれくらい売れているのか?ジャックがどれくらい落ちぶれたのか?
などなどピンとこないところも多いです。

説明じみた演出も皆無です。

時代設定すらありません。

しかしこの無駄を一切排除した描写こそが、観る側の想像を掻き立て、主人公2人の心の中に僕らをどんどんどんどん引き込んでいきます。

究極のラブストーリー

本作はラブストーリーです。

基本的に出会ってから最後まで、2人は一度たりともブレることなくお互いを思い合っています。

しかし、だからこそラストですれ違ってしまうのです・・・。

音楽

本作で使用される楽曲は本当に素晴らしいです。

また楽曲がストーリーの重要な役割をになっています。

この映画は恋愛映画なのか?音楽映画なのか?といった議論がされることもありますが、どちらでもあるというのが正解です。

ストーリーと音楽がまさに相乗効果となりお互いを引き立てていますね。

実際のライブで撮影されたライブシーン

本作の歌唱シーンは全て実際にその場で歌って撮影されたそうです。

本作の楽曲は、世界的なカントリー歌手のウィリー・ネルソンの息子で自らもミュージシャンのルーカス・ネルソンと共同で製作されたものも多いのですが、映画のライブシーンはそのルーカス・ネルソンのライブに飛び入りする形で撮影されています。

ルーカス・ネルソン本人もジャックのバンドメンバーとして映画に出演しています。

ストーリーは単純

本作のストーリー自体は単純です。

ジャックがアリーの才能を見抜き、そして恋に落ちる・・・その後、アリーはスターダムに駆け上がる一方でジャックは凋落する。

これだけと言えばこれだけです。

しかし、その裏にあるアリーとジャックの感情はとても複雑に描かれています。

特にジャックの感情はとても複雑です。

こういった複雑な感情表現をセリフに頼ることなく表現している点はさすがだと思います。

クライマックスでアリーがついた嘘とは?

ジャックが自殺した後、アリーは最後に嘘をついたと言って後悔しています。

ところがこの嘘がイマイチ伝わりづらく「?」となった人もいるのではないでしょうか?

解説しますね。

アリーはヨーロッパツアーにジャックも連れていき一緒に歌いたいと提案するもマネージャーのレズに断られてしまいました。

それならツアーはキャンセルすると決めて、ジャックには「レコード会社がツアーを取りやめたので、自分はセカンドアルバム制作に集中する」と嘘をつきました。

しかしジャックはレズから「あんたは彼女の将来を狂わせた」「夫婦でいるだけで笑い者だ」「彼女はあんたを愛しすぎているからそれを言わないだけだ」と責められていたので、ツアーキャンセルの理由が嘘とわかっていたのです。

自分がいるせいでアリーの足を引っ張ってしまう・・・レズから言われたことが決定的な事態となりジャックは自殺してしまうのです。

とてつもなく素晴らしいラストシーン

本作のラストシーンは深く余韻の残る本当に素晴らしいものになっています。

アリーが歌う「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」で幕を閉じるのですが・・・この曲のラストのサビの部分にとんでもない仕掛けが用意されていたんです・・・。

このラストシーンの為だけにその前のストーリーがあったと言ってもいいくらい圧倒的です。

絶対泣きますよねあんなの・・・思い出しただけで泣けます。

内容は敢えて書きません!!

観てない人がもしいたら・・・絶対観て下さい!!!!

個人的に本当に大好きなラストシーンです。

アリーのカメラ目線とスター誕生

そして映画のラストカットは涙を流すアリーのカメラ目線です。

実はアリーがカメラ目線になるのはここが最初で最後なんです。

このシーンについて、ブラッドリー・クーパーはこう語っています。

「この瞬間に、スターが誕生したんだ」

「なぜなら、彼女はようやく自分自身になれたから。だから観客を見ることができた。”私はここよ”って。」

レディー・ガガも、「真のスターとは人間の勇気だ、という意味もあります。貫いて、前に進むこと。」と語っています。

自分に自信のなかったアリーが本当の意味でスターになる・・・それは自分に自信をもつことだったのではないでしょうか?

映画の中盤、アリーの特大看板が見える屋上で、ジャックはアリーにこう言っています。

「魂の奥まで掘り下げなきゃ長続きしない。ウソは見抜かれる。取り繕えば今は良くてもいつか客は離れていく。だから心配せずに、ただ魂の歌を歌えばいい。」

ありのままの自分に自信を持った時にスターが誕生したんです。

 

さて、次は本作は実話なのかどうかということについてです。

アリースター誕生は実話?

本作は実話なのか?

気になった方も多いと思います。

結論から言うと本作は実話ではありません。

完全なるフィクションです。

1937年のアメリカ映画「スタア誕生」の4回目のリメイクとなっています。

原作ももちろんフィクションです。

ただ原作製作時に参考にした人物などはいたようですね。

また、レディー・ガガが、「アリーは自分と重なる部分がある」と言ったり、ブラッドリー・クーパーがパールジャムのボーカル、エディ・ヴェダーを役作りの参考にしたことなどからも勘違いされているのかもしれません。

 

次は本作で描かれる価値観が古いのでは?と指摘されることについてです。

本作で描かれる価値観は古い?

本作は1937年のアメリカ映画「スタア誕生」の4回目のリメイクで、そのストーリーラインは3回目のリメイク作品である1976年のものがベースになっていると言われています。

ですので、本作で描かれる恋愛観や音楽観は1970年代当時の考えが根底にあり、若干の古さも感じます。

ですので、観る人の年代や考え方によっては共感できたりできなかったりもあると思います。

その辺を解説していきます。

まずは恋愛面からです。

男性至上主義という時代錯誤

働く女性が増え、女性の社会進出が進んだ現在では、本作で描かれているような男女の価値観は若干古いように感じるのも事実です。

この辺は1976年のストーリーがもとになっているので仕方ないですかね・・・。

ジャックの価値観はまさに昭和の男といった感じです。

若い人からしたら「?」な感じもあるかもしれませんね。

でも逆に昭和な男性にはかなり共感できる内容なのではないでしょうか?

僕は昭和生まれなのでかなり共感する部分も多かったです。

あー男ってこういう生き物だよねって思って観てました。

女性は地位とか関係なく愛する人を愛する生き物なんでしょう。

アリーのジャックに対する愛し方はなんとなく女性っぽいなって思いました。

そして乗り越えて前を向く強さ・・・この辺は現代っぽいんですかね・・・。

うーん。

何とも言えませんね。

ただ、男性にしかわからないこと、女性だからこそ共感できるところなんかも確かにあったのではないでしょうか?

現在では、男性だからこうとか女性だからこうとかいった考え方自体古いですからね。

人によって見方や印象は変わりそうな映画だとは思います。

ロックこそが本物の音楽?そういうことじゃないでしょ笑

本作ではロックこそが本物の音楽であり、ポップスは本物の音楽ではないといった考え方が根底にあると思った人も少なからずいると思います。

確かにジャックの発言だけをみるとそう思っても仕方ないと思います。

ジャックは成功してポップスを歌うアリーを否定していますしね。

実際問題として、こういった考え方は70年代80年代には確かにあったのも事実です。

僕も昔バンドをやっていたのでわかります。

ロック以外は認めないみたいなバンドマン・・・意外に多かったです(笑)

ですが、本作はロック至上主義とかポップスをバカにしてるとかそういう映画ではないというのが僕の個人的な考えです。

ジャックが言いたかったのは「魂で歌え」ということ、「心の底から湧き上がるものに正直でいろ」ということ・・・つまり自分に正直にありのままでいろということです。

アリーにとってはロックこそが自分の原点でありのままの自分だった・・・だからラストではそこに戻ってきた・・・そしてその魅力を一番近くにいたジャックは常にわかっていた。

ただそれだけだと思います。

ロックこそが本物の音楽だとか、ポップスは商業主義だとか、そんな小さいことを言いたい映画では絶対にないです。

ジャックは言っていましたよね?

「魂の奥底まで掘り下げないと観客は離れていく」

形はなんでもいいんです、それが心からのものであれば・・・。

 

次は本作の曲についてです。

サントラは名盤!!劇中の歌や曲の解説

本作には沢山の素晴らしい楽曲が登場し、ストーリーの中でも重要な役割を担っています。

サントラは世界中で大ヒット。

全米では3週連続1位を獲得しています。

ピックアップして解説していきますね。

「ブラック・アイズ」

本作の冒頭でジャックが歌うロックナンバー。

ジャックがロックスターであることを強烈に印象付けています。

「ラ・ヴィ・アン・ローズ」

ジャックがたまたま立ち寄ったバーでアリーが歌う名曲スタンダードのカバー。

この曲でアリーとジャックは運命の出会いを果たします。

「メイビー・イッツ・タイム」

ジャックのテーマソングともいえる曲。

バーでアリーを待つ間に弾き語りをしたり、アリーと一緒に立ったステージでも披露されます。

人はなかなか変われないけれど、古い生き方は葬ろう・・・死んだら何が待つのか・・・

ジャックの哀愁がたまりません!

凝り固まった古い価値観に対する問題提起のようにも聞こえます。

「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」

本作の主題歌です。

駐車場でアリーがジャックに初めて聴かせたオリジナル曲もこれですね!

その後、ジャックのライブを観に来たアリーは、突然ステージでこの曲を歌うことになります。

アリーが自分の殻を破った重要シーン・・・とても感動的です。

「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ 〜2人を忘れない」

ジャックと一緒に立ったステージのアンコールで急遽アリーが歌うことになった曲です。

ジャックが「俺の好きなあの曲をやれ!」と言ってアリーに歌わせます。

覚悟を決めて歌うアリー・・・見守るジャックの表情が優しさに溢れています。

「ホワイ・ディド・ユー・ドゥ・ザット?」

スターになったアリーが歌う曲です。

「サタデーナイトライブ」に出演して歌っています。

この「サタデーナイトライブ」はアメリカで実際放送されている音楽番組です。

このシーンでは、司会者としてアレック・ボールドウィンが本人役で出演しています。

ここでのガガはめちゃくちゃカッコいいです!

しかもいい曲なんですよね!!

それもそのはず!!

この曲はダイアン・ウォーレンが作曲してるんです。

ダイアン・ウォーレンは映画アルマゲドンの主題歌エアロスミスの「ミス・ア・シング」を始め、数々のヒット曲を全米チャートに送り込んだ作曲家です。

このシーンに使う曲の作り手として、これ以上の人はいないのではないでしょうか?

この映画がポップスを商業音楽としてバカにしているわけではないことが、作曲者の人選や曲の本気度から伝わってきます。

「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」

ラストシーン・・・ジャックの追悼コンサートでアリーが歌う曲です。

この動画はMVですが、映画本編では最後のサビに感動的な仕掛けが施されていました。

観ていない人がもしいたら絶対観て下さい!!

そして映画のラストにふさわしい名曲です。

個人的には主題歌の「シャロウ」よりも好きです。

次は日本で大ヒットとならなかった理由についてです。

日本で大ヒットとならなかった5つの理由

本作の日本での興行収入は最終的には14億円程度にとどまっています。

ボヘミアン・ラプソディーが国内で130億円を超えるヒットだったことを考えると・・・ちょっと寂しい感じしますね。

サントラの方も海外では大ヒットですが、日本では全然ですしね・・・。

これは一体なぜなのでしょうか?

理由を考えてみました。

理由1 : レディー・ガガの復活というイメージが日本にはない

本作の海外でのヒットの背景として、レディー・ガガの華麗なる復活があります。

サントラも世界中で大ヒットとなり、相乗効果も相まって映画もヒット。

近年、人気に陰りが見えてきたレディー・ガガでしたが、本作での圧倒的な歌唱と演技が再評価され再びブレイクしています。

しかし、ここ日本ではレディー・ガガの人気が落ちていた認識はあまりなく、華麗なる復活的な印象はありません。

サントラも特に注目されることなく映画との相乗効果もあまりなかったようです。

「あー、ガガが映画に出るのかぁ」くらいの印象で、スターが戻ってきた!という待望感が無かったことが日本で注目度が上がらなかった要因です。

理由2 : 音楽的バックボーンの違い

本作のサントラは、海外では大ヒットしていますが日本ではあまりヒットしていません。

内容はとっても素晴らしいにもかかわらずです。

これは、音楽的バックボーンの違いが影響していると個人的には思っています。

本作の音楽は主にカントリーやカントリー寄りのロック、ブルース寄りのロックです。

60年代から70年代にかけて世界中を席巻したクラシックロックのスタイルですね。

欧米の人達にとってカントリーやブルースといった音楽は体にしみ込んだいわば国民の音楽です。

また当時のロックムーブメントを実際に体験している人も多いでしょう。

ところが、日本人にそういった感性はあまりありません。

今でこそR&Bなどもヒットチャートを賑わせていますが、基本的に日本人の感性は歌謡曲を土台としているように思います。

なので、ブルースを基盤としたうねるようなグルーヴより、クイーンのようなポップな音楽の方が馴染みやすいんです!

そういったこともあり、本作の音楽の良さは伝わりづらかったのかなって思います。

理由3 : ボヘミアン・ラプソディーとかぶった

本作は、映画ボヘミアン・ラプソディーが空前のヒットをぶちかましている最中での公開でした。

日本でもボヘミアン・ラプソディーは大ヒットし、2018年の国内興行収入1位となる程。

よって映画館の大スクリーンは、公開から2か月近くたっていたにもかかわらずボヘミアン・ラプソディーが独占状態。

割を食った感じもあったでしょう。

また、音楽映画としても被った感がイメージとしてありました。

理由4 : ブラッドリー・クーパーが意外に知られていない

本作の監督・主演ブラッドリー・クーパー。

海外での知名度に比べて日本ではそれほどでもない感じです。

映画ファンからしたらブラッドリー・クーパーが初監督といったらニュースですし、しかもこの内容ですから「なぜにもっとクーパー推しでいかないの?」となりますが。

一般の人にブラッドリー・クーパーと言ってもすぐにはピンとこないでしょう(笑)

なのに僕のこの記事はめちゃくちゃクーパー推しです(笑)

もっと彼の素晴らしさを知ってほしいんです!!

理由5 : 音楽映画なのか恋愛映画なのか曖昧な宣伝

日本での宣伝も良くなかった印象があります。

本作は、ラブストーリーであり音楽映画でもあります。

切り離すことはできませんが、僕はもっとラブストーリー推しで良かったと思います。

日本版の予告を観ると・・・なんだかロックな映画なのかなって思っちゃう感じです。

ボヘミアン・ラプソディーが大ヒットしていたので、寄せた感が見え見えなんですよね・・・。

本作の主軸はやはりアリーとジャックのラブストーリーですからね。

以上5つが日本で大ヒットしなかった理由です。

いかがでしょうか?

個人的に映画としてはボヘミアン・ラプソディーより良かったと思うので、もっとヒットして欲しかったなって思います。

 

次は評価や個人的な感想です。

評価と感想

世間での評価

本作の世間での評価は5点満点中3.7点(Yahoo!映画)です。

意外に低評価も多くてビックリ!!

実際の声はこんな感じ。

 

次は僕の個人的な感想です。

個人的感想

さて、ここからは個人的な感想を書いていきます。

僕は本作をブラッドリー・クーパーの初監督作品としてとても楽しみにしていました。

そして内容は、期待をはるかに上回る素晴らしい出来でとても気に入りました。

僕はこの映画は、ブラッドリー・クーパーという人間そのもののような映画だと思っています。

ブラッドリー・クーパーの価値観が全て詰まったようなそんな内容です。

劇中ジャックがアリーに「魂の奥底まで掘り下げないと結局は客は離れていく」と言っています。

これこそがブラッドリー・クーパーが本作に取り組んだ姿勢そのものであると思います。

自身の魂の奥底・・・自分の核となる物をこの作品では表現したのではないでしょうか?

観る人に対して媚びを売るような姿勢もなく、批判も覚悟のうえで、自分の価値観を100パーセント詰め込んだような内容です。

なので、絶賛する人もいればつまらないという人もいる・・・それでいいんです。

そういうことを問うている映画なのですから。

終盤、ジャックの言葉として兄のボビーがアリーにこう言っています。

「音楽はオクターブの12音。その繰り返し。どの曲も結局は12音の繰り返しだ。アーティストの作る世界は12音をどう見るか。それに尽きる。あいつは君の見方に惚れ込んでいた。」

これはつまり価値観の話をしています。

そこを共有できたからこそジャックとアリーは恋に落ちたのです。

自分ではコンプレックスに思っているアリーの鼻も、ジャックから見れば魅力的・・・これも価値観です。

この鼻の描写は大切なシーンで何度か登場します。

物事をどう見るかによって見え方は違う・・・だからこそ魂の奥底まで掘り下げないといけないのです。

魂の奥底・・・そこに本当の自分があり、それを全て受け入れた時こそスターが誕生するのです。

人は誰もが魂の奥底の自分と向き合い生きていくべきだ・・・そうすることによって誰もが輝ける・・・そうこの映画は教えてくれています。

アリーは映画のラストで心からの歌を歌います。

まさにスター誕生の瞬間です。

これこそが映画のテーマであり、本質なのではないでしょうか。

ラブストーリー、サクセスストーリー、音楽映画・・・色々な側面がある本作ですが、根底にあるのはブラッドリー・クーパーという人間そのものです。

ブラッドリー・クーパーは初めての監督作品で、「俺ってこういうやつだよ」、「こんな感じで映画作っていくからよろしく!」っていう、いわば名刺のような作品を作ったのだと思います。

もちろん本作はリメイク作品ですが、この作品に共感し、4年という長い期間を使い「本物」を求めた姿勢からもそのことが感じられると思ます。

ストーリーは単純ですので、ストーリー重視の方には物足りない内容かもしれません。

しかし、本作で描かれるストーリーの裏にあるメッセージはとても複雑なのです。

男性至上主義に対する問題提起、ロックこそが本当の芸術だとすることへの疑問を2人のラブストーリー・・・とりわけジャックの心情を通して複雑に描いています。

それをセリフに頼ることなく表情や仕草で表現するブラッドリー・クーパーは、やはり俳優としても一流ですね!

本作はジャックの表情がめちゃくちゃ良いです!!!

また、アルコールやドラッグの依存症に関しては完全に病気であるという現代的な解釈も盛り込まれ、そういった問題に対する問題提起もされています。

言葉で表現するのは難しい・・・本当に深い映画だと個人的には思っています。

それから、やはりレディー・ガガの素晴らしさも特筆すべき点です。

歌は勿論なのですが、映画初主演とは思えない素晴らしい演技に感動しました。

ガガは作曲から関わっています。

きっとブラッドリー・クーパーに共感し、二人三脚で作り上げたのでしょう。

音楽に関しても本当に名曲揃いで感動的です。

ロック寄りの曲が多いのでロック好きにはたまらないと思います。

ブラッドリー・クーパーの歌が素晴らしいのも嬉しい誤算ですしね(笑)

そしてなんと言ってもラストシーン!!!

「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」で幕を閉じるのですが、ラストに仕掛けられた演出の効果もあり、とんでもない破壊力です。

このラストのためだけにそれまでのストーリーがあったようなものです。

本当に感動しました。

で、観終わって思ったことがあるんです。

この映画を観て感じるこの感じって・・・イーストウッド監督作品のそれに近いんです。

単純なストーリーの中に深い感情やメッセージが潜んでる感じや、自身の価値観を全面に出してくる感じ、最後の最後に全てが収束するような西部劇的構成、悲しい結末のように思えて実は希望を残したラスト、基本的には男性目線の作風、主人公は不器用な人間、無駄を一切排除した構成や描写・・・。

完全にイーストウッドです(笑)

ブラッドリー・クーパーはイーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」や「運び屋」などに出演していますしね。

イーストウッドの後継者なんて言われ方をすることもあるくらいなので、恐らくめちゃくちゃ影響受けているんだろうなって思います。

本作の監督も最初はイーストウッドがやる予定だったそうですしね。

僕はイーストウッド監督が大好きなので、自分がこの映画を気に入ったのもなんか納得でした。

賛否両論あるとは思いますが、僕はこの映画が本当に大好きです。

昭和生まれ、男性、ロック好き。

とりあえず、この3つに当てはまる人は100パーセント好きになると思います(笑)

勿論、多くの人に観てほしい作品ですので、当てはまらない人にもおススメです(笑)

色々な価値観の人に色々な角度から観てもらいたい・・・きっと監督もそう思っていると思います。

これからブラッドリー・クーパーがどんな作品を作っていくのか本当に楽しみです。

 

次はBlu-ray/DVD情報です。

アリースター誕生をBlu-ray/DVDで観よう!

特典として81分にも及ぶボーナス映像が収録されています。

 

サントラもおススメです!

 

次はアリースター誕生を動画配信サービス/VODで視聴する方法をご紹介します。

アリースター誕生を動画配信サービス/VODで視聴する方法

Hulu ×

U-NEXT 〇

FODプレミアム ×

amazon プライムビデオ 〇

dTV 〇

配信が終了している場合もありますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

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