ファーゴのあらすじとネタバレ！実話？ドラマと関連は？徹底解説

映画ファーゴは1996年公開のアメリカ映画です。

コーエン兄弟の代表作にして大ヒット作品です。

始まりは、1987年、アメリカノースダゴタ州ファーゴ周辺で起きた狂言誘拐。

夫が殺し屋に妻の誘拐を依頼。

妻の父親から身代金を奪い取ろうと計画します。

この事件を発端にして物語はあらぬ方へと転がってゆくのです・・・。

設定からして超ド級のサスペンスです。

ところが一筋縄ではいかないのがこの映画の最大の見所！

コーエン兄弟は冒頭から最大級のトリックを仕掛けています。

この映画、初めて観る人は冒頭から完全に騙されます。

半ば強引にコーエン兄弟ワールドに引きずり込まれてしまうでしょう。

サスペンスとコメディを見事に1本にした演出は本当にお見事です。

情けないくせに強がるジェリーに妙に共感してしまったり、大切なものに気づかせてくれるマージの生きざまに感動したりと、ストーリーの方も秀逸です。

この記事ではストーリーは勿論、コーエン兄弟が仕掛けたトリックなどについてもネタバレ解説しています。

また、映画を元に誕生したドラマシリーズや都市伝説などについても解説しています。

そして、本作を動画配信サービスで視聴する方法も紹介していますので、そちらも合わせて確認してください。

 

この記事は基本的にネタバレ全開です。まだ観ていない方は先に動画配信サービスで観ることをおススメします。

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※本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

 

では、まずはあらすじとネタバレ解説です。

ファーゴのあらすじとネタバレ解説

作品情報とキャスト

 

監督、脚本はコーエン兄弟ですね！

2人にとってこのファーゴは代表作であり、最大のヒット作です。

アカデミー賞でも作品賞を含む7部門の候補になり、主演女優賞、脚本賞の2部門で受賞しています。

また、カンヌ国際映画祭を始め、多くの映画賞で数々の賞を受賞しています。

個人的にはスティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアの共演が嬉しいです！

2人は1998年に映画アルマゲドンでも再び共演していますね！

では早速、あらすじをネタバレで解説していきたいと思います。

冒頭、最大のネタバレがありますので、まだ見ていない人は気を付けて下さい。

この記事の最後ではファーゴを動画配信サービスで視聴する方法もご紹介しています。

ネタバレを知りたくない方は先に観てから戻ってきてください！

では、いきます。

あらすじとネタバレ解説

映画は冒頭、「THIS IS A TRUE STORY」、「これは実話の映画化である」との字幕で始まります。

「実際の事件は1987年にミネソタ州で起こった」、「人名以外は忠実な映画化を行った」とのメッセージも同時に表示されます。

が、しかーし！！

実はこれ、最初にして最大のトリックなんです！！

実話と言っていますが、これ、嘘なんです。

この映画で起きているような事件が実際に起きたことはなく、完全なフィクション映画です。

コーエン兄弟が仕掛けた壮大なトリックですね。

ですが、始めて観た人はこの映画を実話だと思って観てしまいます。

するとどうでしょう・・・あら不思議！実話と思って観るとなんともリィアリィテを持って迫ってきます。

映画史上類を見ない大胆な演出ですね(笑)

しかもこの映画がフィクションであることは本編中では明らかにされません。

つまり実話だとずっと思ってる人もいるでしょうね・・・そんな人に出会ったら是非教えてあげて下さいね！

ではでは、肝心のストーリー解説です。

 

冒頭の字幕の後、ゴッドファーザーさながらの荘厳なBGMと共に映画は幕を開けます。

冒頭の舞台は1987年。

場所はタイトルにもなっているアメリカノースダゴタ州ファーゴで始まります。

この物語の主人公は、自動車販売店で営業担当をしているジェリーです。

ジェリーは多額の借金を抱えています。

ファーゴにあるとある酒場で、ジェリーは2人の男と密会をします。

相手はカールとゲアです。

カール役のスティーヴ・ブシェミとゲア役のピーター・ストーメアがこの映画ではかなりいい味出してますね！

カール役のスティーヴ・ブシェミはコーエン兄弟作品の常連でもあります。

このファーゴでも独特のしゃべり方と印象的な顔で大活躍します(笑)

変な顔でおしゃべりなカールと無口だが凶悪なゲアのデコボココンビですが、登場シーンはいかにも悪って感じでカッコいいですね！

さて、金に困っているジェリーは、カールとゲアに依頼して狂言誘拐を企てます。

自分の妻ジーンを誘拐させて、妻ジーンの父親ウェイド(経営者で大金持ち)から身代金をふんだくろうという魂胆です。

その額8万ドル。

そして2人への報酬は自身の販売店から持ち出した新車1台と身代金8万ドルのうちの4万ドルです。

そして自分に4万ドル・・・。

つまり間接的に義父の金を巻き上げる作戦です。

とんでもねークズ野郎ですね(笑)

話はまとまり、いざ実行です。

映画のタイトルこそファーゴですが、ファーゴでの話はこの酒場のシーンのみです。

以降の話はミネソタ州ミネアポリスです。

手はず通りジェリーの妻ジーンを誘拐するカールとゲア。

その後、カールとゲアは、誘拐したジーンを連れて、同じミネソタ州のブレーナードにあるアジトへ向かいます。

ブレーナードヘ向かう道中、警官から職務質問を受けます。

するとゲアがその警官を射殺。

さらにその様子を見ていた目撃者も射殺します。

その後、数々の痕跡を残しながら、2人はアジトへ到着します。

翌日になると、妊娠中の女性警官マージ・ガンダーソンがこの事件の捜査を始めます。

殺人犯の捜査に妊婦って(笑)

しかも金田一耕助顔負けの推理で捜査はサクサク進んでいきます(笑)

このマージは冒頭3人と並んでの主要キャラなのですが、ささやかながらも夫のノームと幸せに暮らす普通のおばちゃんです。

そして夫のノームはのんびりした性格の画家で、風貌はさえないんですが優しいです(笑)

何だか色々ツッコみたくなるような設定や展開ばかりなのですが、実話として観始めてしまうと納得してしまうから不思議です(笑)

一方、カールとゲアはジェリーに報酬の引き上げを迫ります。

予期せぬ殺人を犯したから、8万ドル全額よこせと言ってきます。

するとジェリーは、身代金が100万ドルになったと義父に告げます。

えっ！？

完全に盛り過ぎ(笑)

とんでもないクズです(笑)

でもなぜかジェリーは憎めないやつなんですよね(笑)

本来はジェリーが身代金を持っていくはずだったのですが、義父は自分で行くと言って聞きません。

義父は身代金100万ドルを持ってカールに会います。

ジェリーが来ると思っていたカールは話が違うと怒り始めます。

娘を渡さないと金は渡せないと言い張る義父。

そんなやり取りで激高したカールは、義父を射殺。

100万ドルが入ったケースを奪って立ち去ります。

もともと8万ドルの約束だったはずが、ケースを開けるとなんと100万ドル！！

カールは金を独り占めしようと8万ドルだけ抜いて、残りの金はケースごと雪の中に埋めて隠します。

カールがアジトに戻ると妻のジーンはゲアによって既に殺されていました。

騒いだからだそう・・・なんともひどい話ですが。

8万ドルだけ持ってアジトに帰ったカールは、ゲアに4万ドル渡して立ち去ろうとします。

しかし直後、カールはゲアに斧で殺されてしまいます。

女性警官のマージは順調に真相に近づいていました。

疑われたジェリーは逃走します。

マージはその後、市民からの情報を頼りにカールとゲアのアジトを難なく発見します。

マージがアジトに踏み入れると、カールとジーンの死体を木材破砕機で粉々に処理中のゲアを発見します。

逃げるゲアに1発ぶち込んで無事逮捕。

その後、逃走中のジェリーも郊外のモーテルにて発見され逮捕されます。

 

あらすじはこんな感じです。

次はファーゴは冒頭の実話トリックついて考察していきます。

ファーゴは実話？あなたもきっと騙されている！

冒頭、「これは実話である」と字幕が出てきますが、あれは完全に嘘です。

演出ですね。

劇中では一切この事実は明かされませんが、この映画は完全なるフィクションです。

この事実には劇中では触れられずに終わるので、本当に実話だと思っている方も多いのではないでしょうか？

実はこの映画、サスペンスかと思いきや、コメディ映画に分類されています。

シリアスな題材を面白おかしく描いた喜劇なんです。

フィクションだと思って観ると結構おバカな映画なんですよね・・・。

とりあえず、この映画は冒頭の「実話演出」が本当に全てと言ってもいいくらい重要です。

フィクションだと知って観るか、知らずに観るかでは大きく印象は変わります。

2回目以降は、始めて観たときの感覚では絶対に観ることができません。

2回目以降はツッコミどころ満載のコメディと化してしまいますから(笑)

この映画の凄いところはそういった笑いとシリアスとを絶妙なバランスで描いている点です。

え？これ笑っていいのかな？

あれ？なんかおかしい気が・・・。

みたいな展開や設定が多いのですが、バランスが絶妙なので、実話と思い込んで観てる人は納得してしまうのですよね。

まさにコーエン兄弟マジックです！

 

続いては大人気のテレビシリーズとの関連性についてです。

ファーゴのドラマ版との関連性は？

2014年からファーゴのテレビシリーズが始まりました。

このテレビシリーズは映画版のファーゴから着想を得て製作されています。

製作総指揮には映画版の監督であるコーエン兄弟が名を連ねています。

映画版同様大ヒットとなっておりシーズン4の製作まで決定している人気シリーズとなりました。

映画版を気に入った人はとりあえずシーズン1の第1話を観てみて下さい！

絶対にハマると思います。

めちゃくちゃ面白いです。

冒頭に「これは実話である」「人名以外は忠実に描いた」と映画と同じ字幕も勿論登場します。

ここではテレビシリーズの大まかな設定をご紹介します。

ファーゴのドラマ版シーズン1

シーズン1は映画版の19年後の物語です。

映画版のファンならついついニヤっとしてしまうシーンが散りばめられていますので、是非観てみて下さい。

映画版で埋められた100万ドルが掘り起こされストーリーに絡んできます。

いたるところに映画版へのオマージュが散りばめられていますので、映画版を気に入った人は絶対に観てみるべきだと思います。

何より、ストーリーがめちゃくちゃ面白いですもで、映画版を観てない人にもお勧めできます。

そして、このシーズン1にはビリー・ボブ・ソーントンが主要キャストとして出演しています。

ビリー・ボブ・ソーントンといえば、僕が大好きなアルマゲドンのトルーマン役の俳優です！

映画版にもスティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアのアルマゲドンコンビが出演していました。

こんなところにも何かオマージュ的なものを感じてしまいますね！

続いてシーズン2のご紹介です。

ファーゴのドラマ版シーズン2

シーズン2は映画版の27年前の物語という設定になっています。

シーズン1とは基本的なキャストは変わっています。

ですが、同じ世界観でストーリーは進んでいきますので映画版、シーズン1を気に入った方には当然このシーズン2もおススメです。

ファーゴのドラマ版シーズン3

シーズン3は映画版の4年後の設定です。

こちらももちろん同じ世界観です。

またまたキャストは変更されていますが、このシーズン3にはユアン・マクレガーが主演しています。

スター・ウォーズシリーズでおなじみの彼がスタッシー兄弟を1人2役で演じています。

映画版やシリーズのファンでしたら必ず楽しめる内容になっていますので、是非観ることをお勧めします。

映画版→ドラマ版シーズン1→シーズン2→シーズン3と順番に観るのがお勧めです。

ファーゴのドラマ版シーズン4

シーズン4は2019年クランクイン予定で、現時点では未公開です。

コメディアン・脚本家のクリス・ロックを主演に、1950年の物語になるようです。

こちらも楽しみですね！

 

次は、日本人女性が絡んだ、ちょっとした都市伝説についてご紹介します。

ファーゴと日本人女性に関する都市伝説

劇中、カールは雪の中に100万ドルを埋めて隠します。

これにまつわる都市伝説が存在するのを皆さんはご存知でしょうか？

しかもその都市伝説には、ある日本人女性が絡んでいるというから我々日本人にはとっても興味深いですね。

事の詳細はこうです。

2001年にコニシタカコさんという東京在住の女性が、ノース・ダコタ州ファーゴから数十キロ東で凍死しているのが発見されます。

実はタカコさんの遺体が発見される6日前、タカコさんは地元警察官に保護されています。

警察官の証言では、タカコさんは映画で埋められた100万ドル入りのブリーフケースを探していたというのです。

この警察官の証言が元になり噂があっという間に広がったそうです。

映画はフィクションですので、このブリーフケースがあるはずはありません。

タカコさんは実話と勘違いしてしまったのでしょうか？

どうやらそうではないようです。

英語がそれほど堪能ではなかったタカコさんが、保護された際に「ファーゴ、ファーゴ」と繰り返していたことから、勘違いされてしまったようです。

タカコさんが亡くなった原因は妻子あるアメリカ人男性とのいざこざによる自殺だそうです。

最後に好きだった映画ファーゴの舞台だった街を訪れたようですね・・・。

この都市伝説の真相はタカコさんの遺書と、恋人への電話で判明しています。

とはいえ、こういった現実世界にまで混乱をもたらす冒頭の「実話演出」は本当に強力ですね。

そして、この日本人女性クミコさんにまつわる話は映画化もされています。

 

次はその映画「トレジャーハンタークミコ」について軽く触れていきます。

トレジャーハンタークミコ

映画ファーゴにまつわる都市伝説を映画化した「トレジャーハンタークミコ」は2014年のアメリカ映画です。

都市伝説を元にストーリーを膨らませた映画になっています。

ファーゴはフィクション。

フィクションによって生まれた現実での都市伝説をフィクションで描く・・・うーん、なんだかややこしくなってきますね(笑)

主演は菊地凛子さんです。

この映画は、ベルリン国際映画祭ノミネートやサンダンス映画祭観客賞受賞など多くの映画祭で絶賛されています。

菊地凛子さんの悲壮感漂う演技が素晴らしく、引き込まれますね。

ファーゴが好きになった方は是非こちらもチェックしてみて下さい。

 

続いて、ファーゴの意味についてです。

ファーゴの意味は？

この映画のタイトルにもなっている「ファーゴ」ですが、これはアメリカのノースダゴタ州にあるファーゴという地名のことです。

アメリカの最北部に位置し、冬はとっても寒いです。

映画でも冬でが舞台で、雪のシーンが印象的でした。

ただ、劇中でファーゴでのシーンは冒頭の酒場でのやり取りのみです。

その他のシーンはほぼ隣のミネソタ州での出来事になっています。

ではなぜタイトルは「ファーゴ」なのか？

これは単純に響きの問題のようですね。

これについて弟のイーサンがこう語っています。

だってブレーナード（ミネソタの一都市）なんて名前じゃあまりクールじゃないだろ。
引用：www.moviefone.com

うーん。

これは日本人の感覚ではよくわかりませんが、アメリカ的にはそうなのでしょうね(笑)

 

では次はこの映画の評価や個人的な感想です。

ファーゴ映画の評価と感想

この映画ファーゴはコーエン兄弟の代表作にして大ヒット作でもあります。

1996年のアカデミー賞では作品賞を含む7部門の候補となり、そのうち主演女優賞、脚本賞の2部門で見事受賞をしています。

その他にも、カンヌ国際映画祭監督賞、英国アカデミー賞監督賞などで多数の賞を受賞。

インディペンデント・スピリット賞では候補になった6部門全てを受賞すると言う快挙を成し遂げています。

日本でも1996年度のキネマ旬報外国語映画ベスト・テン第4位にランクインしました。

1998年にアメリカ映画協会が選んだ映画ベスト100では第84位にランクインしています。

しかも製作費700万ドルと低予算ながら興行収入は6000千万ドル越え！

まさに名実ともにコーエン兄弟の代表作です。

世間での評価も概ね良好といったところでしょうか。

個人的にも大好きな映画です。

ツッコミどころ満載の微妙な設定や会話がとってもシリアスに進んでいく奇妙なアンバランスさ。

そのさじ加減が絶妙なんですよね。

全ては冒頭の「実話トリック」のせいで笑えない空気感で進みます。

なので、実話だと思って観るとサスペンスなのですが、フィクションだと知ってしまうとコメディになります。

なんとも摩訶不思議な映画なのです。

個人的にはマージの一切ぶれない生き様に感動します。

ささやかではあるけれど自分にとってはかけがえのないものや人達。

それに気づいている彼女の人生は、とても豊かであるように思いました。

たとえ100万ドルを持っていなくてもね！

そうです、人生は大金が無くても素晴らしいものにできるんです。

大切なものを当たり前に大切にするだけで良いのです。

高望みするでもなく、目の前のことを受け入れていく。

マージの生き様から、毎日を大切に生きるということを改めて学ぶことができました。

あとは何と言ってもジェリーの情けないくせに頑張っちゃう感じ(笑)

なんか憎めない・・・それどころか男性なら共感すらしてしまう部分もあるのではないでしょうか？

かなりのクズ野郎ですけどね(笑)

器じゃないくせに大それたことやっちゃうから、どんどん悪い方へ行っちゃいます(笑)

マージとの対比もあってか、なんとも滑稽に映ります。

サスペンスとコメディという相反するジャンルを、背中合わせのように1本の映画にしたコーエン兄弟の力量には本当に脱帽です。

僕のお気に入りの1本です。

 

個人的満足度

 

最後にこの映画ファーゴを動画配信サービスで視聴する方法をご紹介します。

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