ヒアアフターのあらすじとネタバレ!映画のラストも解説!

ヒアアフターは2010年公開のアメリカ映画ですね!

世間ではあまり話題になりませんでしたが、実は隠れた名作なんです!!

この映画は監督クリント・イーストウッド、主演にマット・デイモン、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグという何とも豪華な布陣で製作されています。

もうこの時点で名作の予感しかしませんね(笑)

津波に遭い臨死体験をしたフランスのジャーナリスト、兄を交通事故で亡くしたロンドンの少年、霊媒師としての能力がありつつも、その能力に翻弄される孤独なアメリカの男性。

死後の世界と現実との間で葛藤する3人が、やがて導かれたように運命的な出会いを果たすこととなる…そして3人はそれぞれ生きることの素晴らしさを見つけます。

3つのストーリーがラストで1つに繋がる構成となっているのですが、ラストシーンは本当に深く感動します。

勘違いして欲しくないのは、これは決して霊能者の話やオカルト的な話ではありません。

運命に導かれ運命の出会いを果たす…そんなヒューマンドラマなのです!

本当に深い感動を呼ぶ名作に仕上がってると思います。

どちらかというと大人の為の映画ですね!

これに感動できたら大人ということでOKだと思います(笑)

あと、イーストウッド監督自身が手掛けた音楽がこれまた素晴らしいんです!

そんなイーストウッド監督の名作ヒアアフターをネタバレ解説していきたいと思います。

多くの人が疑問に思うラストシーンの意味や、映画ファンの間ではたびたび議論の的になる「優しい嘘問題」についても考察しています。

あなたの解釈は間違っていませんか?

ぜひその辺りも確認してみて下さい!

 

この記事は基本的にネタバレ全開です。まだ観ていない方は先に動画配信サービスで観ることをおススメします。

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では早速あらすじとネタバレ解説です!

レッツ!!ムーヴィン!!!

ヒアアフターのあらすじとネタバレ

映画ヒアアフターの作品情報とキャスト

スタッフ
監督 :クリント・イーストウッド
脚本 :ピーター・モーガン
製作 :クリント・イーストウッド、キャスリーン・ケネディ、ロバート・ロレンツ
製作総指揮 :スティーヴン・スピルバーグ、ピーター・モーガン、フランク・マーシャル、ティム・ムーア
音楽 :クリント・イーストウッド
キャスト(役名 : 俳優)
ジョージ・ロネガン : マット・デイモン
マリー・ルレ : セシル・ドゥ・フランス
ビリー・ロネガン : ジェイ・モーア
メラニー : ブライス・ダラス・ハワード
マーカス/ジェイソン : フランキー・マクラレン/ジョージ・マクラレン
ディディエ : ティエリー・ヌーヴィック
ルソー博士 : マルト・ケラー

 

いやぁ、なんとも豪華なキャストですね!

これだけ見ても期待は膨らみます!

では、あらすじと解説いってみましょう!

この映画は3人の登場人物のストーリーが同時進行で進んでいきます。

クライマックスで3人が出会うまではそれぞれ独立したストーリーですので、わかりやすいように分けて解説していこうと思います。

最終的に3つのストーリーはロンドンで開かれるブックフェアで1つに重なります。

まずはフランスの女性ジャーナリスト、マリー編を解説していこうと思います。

マリー編

フランスの女性ジャーナリスト、マリー

彼女はテレビ番組のキャスターとしても人気を博しているいわゆるセレブですね!

恋人は自身の番組ディレクターという、いかにも的な感じです。

マリーはその恋人と東南アジアにバカンスに来ている最中に津波に襲われてしまいます。

2004年スマトラ島地震の実際の映像を元に作られたこの津波シーンがめちゃくちゃリアルで怖いですね。

冒頭3分で突如訪れる衝撃のシーンで一気にこの映画の世界に引き込まれます。

後述しますが、この冒頭シーンの影響で日本では公開中止になっています。

まぁ、ここまでリアルに描いていると仕方ない面もあるかとは思いますが…。

マリーは津波に流され意識不明の状態になりますが、地元男性に救助され一命をとりとめます。

この時、マリーは臨死体験をしていたのです。

白くぼんやりとした光の中にうかぶ人影…生死をさまよう中で見たこの光景がマリーの頭から離れなくなっていきます。

帰国後、仕事に復帰する彼女ですが、以前のように仕事ができなくなってしまいます。

そうです、臨死体験のことが頭から離れないのです。

仕事に身が入らない彼女を見かねた恋人ディディエの勧めで、休職して本を執筆することになります。

本を出すことはマリーのかねてからの夢でした。

マリーは政治的な内容の本を出版することで編集社と合意します。

しかし、その執筆活動中も臨死体験のことが忘れられず、気が付けば死後の世界について調べていたりします。

恋人にも相談していましたね。

「死んだらどうなる?」

「何かないのかしら?来世とか…」

彼の答えは

「ないね」

「死んだら電気が消えておしまいさ」

でした。

このシーンの気持ちのすれ違い方の描写もリアルで好きです。

誰しもこんな気持ちになることがあるのではないでしょうか?

分かって欲しかったり、同調して欲しかったり、背中を押して欲しかったり…マリーはある種の同胞意識を求めていたのでしょう。

結局、その後、恋人ディディエとはうまくいかなくなってしまいますしね。

どこか満たされないような、煮え切らないようなモヤモヤした気持ちが次第に大きくなっていったマリーは、ネットで見つけた臨死体験を研究している医師、ルソー博士を訪ねます。

ルソー博士は言います。

「あなたは死を体験した」

自分の感覚に確信を持ったマリーは執筆中の本の内容を変えることを決意します。

編集社と約束した政治的なものではなく、死後の世界についての本に。

編集社には反対されるも、なんとか出版にこぎつけることができました。

本は「ヒアアフター」と題され発売。

マリーはロンドンで開催されるブックフェアへ作家として出席することとなるのです・・・

ジョージ編

続いてアメリカの霊能者ジョージです。

しかし現在は霊能者の仕事は受けておらず、その能力を隠しながら地味に暮らす冴えない中年オヤジですね…ディケンズの小説が好きで、ディケンズの朗読を聴きながら寝る暗いやつです(笑)

因みにディケンズとはイギリスの有名小説家で、代表作に「クリスマスキャロル」、「オリバーツイスト」などがありますのでご存知の方も多いと思います。

後に出てくるディケンズ博物館は実際にロンドンにあります。

津波シーンやディケンズ博物館など実際の出来事や場所を使って作品にリィアリティを出す点は、とてもイーストウッド監督らしい手法ですね。

ジョージは相手の手を握ると死後の世界と繋がることができ、その人の身近で亡くなった人と対話することができます。

手を握るだけで相手のことが全て解ってしまう・・・そんな能力です。

この特殊能力によって彼は本当の人間関係を築けないでいました。

「誰かのことをすべて知るのはいいことに思えるかもしれない。でも、知り過ぎない方がいいんだよ」

とは彼のセリフです。

うん。でも霊能者でなくてもそう思う時はありますよね(笑)

逆に全てを知ることは出来ないとわかっていても全てを知りたくなる…これも人間の心理です。

無いものねだりをしちゃうのが人間ですからね…色々考えさせられる何気に深いセリフで僕は大好きなシーンです。

ところが、そんなこととはつゆ知らず、兄のビリーは弟の能力を使って金儲けを企てます。

はい、サイテーの兄貴ですね(笑)

良い兄貴風なんですけど…全然ジョージのことを考えていません。

兄が画策する金儲けの話を頑なに拒むジョージは、自分を変えるために料理教室に通い始めます。

え?なんでそこで料理教室?

というツッコみはとりあえずしないでおきましょうね(笑)

ひとそれぞれですから(笑)

その料理教室でメラニーという女性に出会い、惹かれていくのです。

ある日、料理教室が終わった後、自宅でメラニーと一緒にディナーをとることになります。

嘘をつくことが苦手なジョージは、自分が死後の世界とつながるようになったきっかけ(ジョージもまた臨死体験をしている)や、自分が霊能者だということを正直に打ち明けます。

しかし、メラニーは興味本位から自分も霊と話したいと言い出します。

始めは断るジョージでしたが、仕方なくメラニーの手を取ります。

メラニーが心の奥に隠していた知られたくない過去を全て知ってしまったジョージ。

思い出したくない過去を言い当てられ泣きながら帰っていくメラニー。

メラニーがジョージの前に現れることは2度とありませんでした…。

だから言ったのに・・・おいおい。

ジョージの心の声が聞こえてきそうです(笑)

というか、絶対に観た人全員がそう思うでしょう(笑)。

でもジョージは本気だったから、激しく傷ついてしまうんです。

しかも傷つくジョージに更なる追い打ちです。

努めていた会社からリストラに遭います。

全てに疲れ、助けを求めるようにジョージは街を離れます。

ジョージが街を離れ向かったのは、ロンドンにあるディケンズ博物館です。

そのディケンズ博物館に貼ってあるポスターを見て、ディケンズの朗読会がこの日にあることを知ります。

急ぎ足で向かった先・・・それがブックフェアなのです・・・

マーカス編

最後はロンドンに住む少年、マーカスです。

マーカスは双子の弟で、双子の兄ジェイソンとアルコール依存症の母親との3人暮らしです。

マーカスとジェイソンは依存症の母が更生し、普通の暮らしをすることを夢見ています。

ところがそんなある日、ジェイソンが交通事故で亡くなってしまいます。

母が依存症であることから、マーカスは里親に引き取られることになります。

いつも兄の1歩後ろで守られてきたマーカスは、学校にも里親にもなじめず、兄の死後も兄を求め、なかなか立ち直れないでいます。

もう一度兄と話したい。

そんな思いからか、マーカスは死後の世界に興味を持っていきます。

もう一度兄に会うため、有名な霊能者に手当たり次第会いに行きます。

しかし、皆が皆インチキ霊能者でした。

心の傷は癒えるどころか広がる一方。

この霊能者を訪ね回るシーンが、音楽も相まって本当に切なくなります…。

あきらめかけていた時、最後の最後にたどり着いたのが、ネットで見つけたジョージのホームページでした。

ジョージの兄が作ったやつですね(笑)

あの自分のことしか考えていないジョージの兄を伏線として、それをここで見事に回収しています。

翌日、ジョージに会いに行こうと、マーカスは地下鉄に乗ろうとします。

地下鉄に乗る寸前、被っていた兄の形見の帽子が脱げてしまい、マーカスは予定の電車に乗れませんでした。

電車はマーカスをおいて出発してしまいますが、次の瞬間、その列車は爆発してしまいます。

兄に助けられたような不思議な感覚になるマーカス。

いや、兄の存在を確かに感じたのでしょう。

また、兄のジェイソンがマーカスをジョージへと導いているようにも感じる重要なシーンです。

ジョージに会いに行けなかったマーカスは、里親に連れられ、ある場所に来ることになります。

この里親の以前の里子に会う為ですが、この場所に来た理由はぶっちゃけどうでもいいです。

大事なのは場所です。

その場所こそ、ロンドンブックフェアなのですから…

3つの物語が1つへ!ブックフェア編

いよいよクライマックスです。

3つの国で起きていたそれぞれのストーリーが重なっていきます。

ジョージがお目当てのディケンズ朗読を聞き終えて会場を歩いていると、偶然にもマリーが自身の本を朗読しているブースに目が留まります。

目が合う2人…もうジョージはマリーにくぎ付けです。

これは一目惚れとかいう単純なことではありません。

もしかして…もしかして・・・うーん、でもな・・・いや、そうかもしれない・・・いや、そうだ・・・でもな・・・

そんな迷いと不安と期待が入り混じった複雑な感情でしょう。

このシーンでのマット・デイモンの演技は本当に素晴らしいです。

自分を理解してくれるかもしれない。

意を決したジョージは彼女の本に手を伸ばします。

マリーにサインをもらい、彼女から本を受け取る時、ジョージは彼女の過去を知ることとなります。

そう、ジョージの気持ちは確信めいたものへと変わっていきます

探していたのは、求めていたのは、全て受け止めてくれるのはこの人なのかもしれないと。

また、彼女を理解できるのも自分だけだと。

マリーの方も運命的なものを感じたのでしょうか?

見つめあう2人はお互いを意識しつつも一旦離れることになります。

そもそもマリーは仕事中ですからね…。

直後、ジョージに唐突に声をかけてくるのがマーカスです。

以前の里子になんか興味のかけらもないマーカスは、1人で会場をぷらついていました。

そこで偶然見かけたのが、あのジョージだったのです!

「待って!あなたを知っている!霊能者だ!」

この会話はマリーにも聞こえていました。

この瞬間、マリーの中にもジョージが鮮明に入り込んできたに違いありません。

しかし、自分を霊能者だと知っているマーカスから逃げるようにジョージはホテルへと帰っていきます。

あきらめないマーカスはホテルの前で夜中まで待ち続けます。

根負けしたジョージはマーカスを部屋へ招き入れます。

ジョージはマーカスの手を握り、ついにジェイソンとの対話を始めます。

ジェイソンはマーカスに言います。

「独り立ちしろ」
「野球帽を今すぐ脱げ!それは僕のだ」
「助けるのはあれが最後だ」

いつも優しく見守ってきた兄が、弟を思い、あえて厳しく突き放します。

最後、ジェイソンはマーカスにこう言います。

「一卵性はふたりでひとりだ…いつまでも」

マーカスは本来の自分を取り戻し前向きに生きていけるようになります。

依存症の母親も更生したようでめでたしめでたし。

その後、マーカスの計らいでマリーの宿泊しているホテルを知ったジョージは、マリーに会いに行きます。

マリーは留守でした。

そこで、伝言を残すことに。

伝言というか、あの長さはもはや手紙ですね。

嬉しそうに読むマリー。

そしてラストシーン。

カフェで待ち合わせをするジョージとマリー。

ジョージは先に席に着き待っています。

そこへ遅れてやってきたマリー。

ジョージはマリーに気づきましたが、マリーはまだジョージに気づいていません。

遠くからマリーを見つめるジョージ。

立ち上がろうとして、躊躇します。

そこでジョージはマリーとの幸せな未来を見ます。

確信を持ったジョージは晴れやかな気持ちで立ち上がり、マリーに声を掛けます。

笑顔で応えるマリー。

マリーにとってもまた、ジョージはようやく現れた理解者だったのではないでしょうか?

2人は歩み寄り、ジョージは手袋を外して、マリーとしっかりとした握手を交わしました。

こうして死後の世界にとりつかれた3人は、何かに導かれるようにして逢うべき人に逢い、自らを再生したのでした。

 

と、ここまでがあらすじなのですが、この映画を語る時、よく耳にする疑問が2つあります。

ラストのキスシーンの意味ジェイソンとの対話のシーンの2つです。

ラストのキスシーンは何だったのか?

ジョージはマーカスに嘘をついたのか?

 

次項で詳しく解説していきます。



ラストシーンの解説と優しい嘘問題

この項では多くの人が謎に思うラストシーンと、映画ファンの間で語られることが多い、ジョージの優しい嘘問題を僕なりに考察していこうと思います。

ラストシーンの意味は?

まずはラストシーンです。

カフェでマリーを見つけて立ち上がろうとしたときにジョージが見た、マリーとのキスシーン。

これはいったい何なのか?

これは単純に、マリーとの未来を想像したジョージの頭の中だと思います。

能力のせいで希望を持てなくなっていたジョージが、初めて共感できる同胞を見つけ、幸せな未来を夢見ることができた。

そうとらえて良いと思います。

最後に立ち上がる直前のマット・デイモンの表情が本当に良いですね!

あの表情で涙腺崩壊します…全てから解放されたような安堵に満ちた表情で、これまでの全てのシーンがフラッシュバックしてくるようでした。

キスシーンは、あくまでジョージの希望的未来ですので、この先、ジョージとマリーが恋人になるのか、家族になるのか、よき理解者として友人で止まるのか、それともこれきりなのか・・・そこまでは分かりません。

ですが、観ている人の多くは幸せな未来を連想すると思います。

普段は能力を使わないように手袋をしているジョージですが、最後はしっかり手袋を外して握手をしています。

ジョージにとってこの握手がどんなに大きな1歩か。

ここまで映画を観てきた方ならわかると思います。

こういった絶望の中にも小さな希望を残して終わるような作風はイーストウッドの真骨頂であり、最大の魅力です。

ロケーションやカメラワーク、俳優2人の演技や表情、そして音楽…すべてが素晴らしく、本当に素敵なラストシーンになっていますね。

 

そしてこの作品で最も議論されるのが次の優しい嘘問題です。

ジョージは優しい嘘をついたのか?

終盤、ジョージがマーカスの手を握りジェイソンと対話するときのことです。

対話の後半、ジョージはマーカスに、

「声が遠のいてきた。もう行きたいそうだ」

と言い、対話を終わろうとします。

するとマーカスは、泣きながら

「ジェイソン、行かないで・・・お願いだ・・・会いたいよ・・」

と今までため込んできた感情が溢れ出します。

そんなマーカスを見たジョージは慌てるような表情で、

「今戻ってきた。こう言っている。独り立ちのことなら心配ない。僕がいる。」

「一卵性はふたりでひとりだ」

と、最後にジェイソンからの励ましの言葉をマーカスに伝えます。

そう、この一旦は帰ってしまったジェイソンが戻ってきてからのやり取りが、まるまるジョージの嘘なんじゃないか?

本当は帰ってしまったのにマーカスを励まそうと優しい嘘をついたのではないか?

と、しばし議論されているわけです!

うーん…確かに!

初見の時はそんな風には感じなかったけれど、言われてみればそうも取れますよね?

そうやって観た方がより感動的になるという意見もあるようです。

それも理解できます。

確かにジョージの慌てようからそう感じるのも事実ですしね。

マット・デイモンの演技の質というかトーンが、そこから完全に変わっていますので、そうなのかもしれません。

そう思って観てもなんら差し支えないと思います。

しかし僕個人の見解では、ジョージは本当のことを言っているように思っています。

ジェイソンは本当に戻ってきたと僕は思いたいです。

慌てて戻ってきたからジョージも慌てて伝えただけだと。

弟思いのジェイソンでしたから…きっと戻ってきますよ。

個人的にはそっちの解釈の方が感動します。

だってそうじゃないと、ジェイソンの最後の言葉は

「僕はいいことをした。でも助けるのはあれで最後だ」

になってしまうんですよね…。

まぁ、これはこれでジェイソンらしいと言えばジェイソンらしいのですが…

でも個人的には、悲しんでいるマーカスを見たら戻ってきてくれる兄だと思うんです。

ジェイソンは子供ながらに物事の優先順位を知っていると思うんですよ。

だって、マーカスが宿題を写すことをはじめは断っているのに、事態が変わって優先順位が変わった時、あっさり

「宿題は僕のを写せ」

と言っていたくらいですから。

マーカスはまだ立ち直ってないな、これじゃあ先に進めないなと思ったら必ず戻ってきます。

そんな弟想いの優しい兄だと個人的には思います。

ここはジョージを通した、ジェイソンとマーカスのシーンだと解釈する方が全てにおいて感動すると思います。

ジェイソンがやり残したこと・・・それは普通の家族になることです。

そうなるにはマーカスが前を向いて歩いていく必要がありますからね。

そこに向かって一生懸命な兄弟の話だと僕は思っています。

それから、そもそもこのお話は自分に嘘が付けない不器用な3人のお話ですからね。

ここにきて1人だけ優しい嘘はないだろうよと思ってしまいますね(笑)

ジョージが本当の意味で変わるのはラストシーンだと思いますから。

だからあのラストシーンがあんなにも綺麗なんです。

観方や考え方は人それぞれあると思いますが、僕個人はそんな風に解釈しています。

 

さて、次はこの映画を彩る素晴らしい音楽について触れていこうと思います。

作曲者はなんとイーストウッド監督自身なのです!

ヒアアフターの音楽

映画全編にわたって落ち着きのある切ない音楽が使われています。

これら全て、クリント・イーストウッド監督自らが手掛けたものです。

実は自らの作品で音楽も担当することも多いイーストウッド監督。

ジャズに造詣が深く、ピアノの腕前もなかなかのイーストウッド監督らしい、大人な楽曲たちが作品を見事に盛り上げていますね。

イーストウッド監督の一家は代々ジャズを愛する一族だったそうです。

イーストウッド監督の息子、カイル・イーストウッドはジャズベーシストですしね!

この作品の他にも彼の近年の代表作「グラントリノ」、「ミリオンダラーベイビー」、「ミスティックリバー」、「パーフェクトワールド」、「アメリカンスナイパー」などでも自ら音楽を担当しています。

 

「さよなら。いつかわかること」においては音楽のみの担当なんてこともしています。

作曲家としてのクリント・イーストウッドも堪能できる、ヒアアフターはそんな映画でもあるんです。

 

次はこの映画のタイトルになっているヒアアフターの言葉の意味について解説していこうと思います。

この言葉の意味を知っているのと知らないのでは作品の理解度もかなり変わってくると思います。

ヒアアフターの意味は?

ヒアアフターは「来世」という意味です。

作中、マリーが書く本のタイトルにもなっています。

来世という死後の世界にとらわれた3人が、生という現実を見つめ直し、再生していく物語ですので、タイトルにはうってつけですね!

しかし、日本語タイトルが「来世」とかにならなくて本当によかったですよね(笑)

「来世」だと一気にホラーやオカルト系のイメージになっちゃいます。

邦題って誰が付けているのかわかりませんが、変なのとか、えっ?みたいなのもあるじゃないですか(笑)

そんな邦題のあれこれなんかを考えるのも映画の醍醐味ですね!

 

続いては冒頭の津波シーンによる日本への影響などについて詳しく説明していきます。

ヒアアフターが津波で公開中止!?DVD売り上げが義援金に!

この映画は2011年2月19日から日本公開されています。

しかし、同年3月11日に発生した東北地震のこともあり、3月14日に公開中止となっています。

2004年に起きたスマトラ島地震の実際の映像を元に、視覚効果とCGによって再現したド迫力の津波シーンは、ショッキングなまでにリアルですので、これは賢明な判断だったように思います。

尚、DVD化された本作の収益金の一部は東北地震の義援金に充てられました。

額にして1億円以上だということです。

 

次は僕自身の感想や、世間での評判などまとめてみました。



ヒアアフターの評価と感想

本作の評価ですが、世間的にはまぁ普通といったところでしょうか。

個人的にはイーストウッド監督の隠れた名作だと思いますが、どうしても派手な演出やクライマックスでの大きなどんでん返し、カタルシスなどがない分、物足りなく感じてしまうのかもしれませんね。

そういった意見もわからなくはないです。

しかし、ずっと探し求めていた運命の相手に最後の最後で出会うという展開は、本当に感動的ですし、主人公3人が自らを受け入れ前を向いていく姿にも胸を打たれます。

ラストシーンは本当に美しいですしね!

そして俳優陣の演技や音楽も本当に素晴らしいです。

とてもイーストウッド監督らしい落ち着いた仕上がりで、じんわり心に沁みる味わい深い作品だと思います。

イーストウッド監督は言っています。

「私はとっくの昔に観客にうける商業映画を作るのはやめている。リスクがあっても好きな映画を作る。成熟した大人向けの映画を世に出したいんだ。」

このヒアアフターも間違いなくそんな信念のもとに作られた1本だと思います。

最後にもう一つ、イーストウッド監督が本作について語ったコメントを紹介します。

「死後の世界があるかどうか、真実は誰にもわからない。ただ、人は誰しも与えられた人生を精一杯生きるべきだと、僕は常に信じている」

このコメントこそ映画の本質であり、監督が込めたメッセージだと思います。

クリント・・・やっぱりあんた最高だよ!

僕のお気に入りの1本です。

 

最後にヒアアフターを動画配信サービスで視聴する方法をご紹介します。

ヒアアフターを動画配信サービス/VODで視聴する方法

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